月商500万円、営業利益率は驚異の30%! 中目黒『kosamme』の高収益モデルをひも解く
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店長は店の経営責任者。報酬制度にもインセンティブを採用
原価計算ではなく、マーケティングの観点から値決めをし、生産性の高い商品をメニューに揃える。こうした工夫から余計なコストを抑え、原価率を下げることで高収益モデルを構築しているわけだが、一方で「原価を下げるための横田の努力には脱帽しています」と佐藤氏は言う。
「私はとにかく足で稼いでいます。市場の卸業者だけでなく、スーパーマーケットなど近隣の小売店にもこまめに足を運んでいるので、どの店のどの製品が安いか、ということはだいたい頭に入っているんです。それらの情報を仕入れに活かし、余計なコストがかからないようにしています」(横田氏)
原価をギリギリまで抑える、というと「荒稼ぎをしている」というマイナスな印象を持たれがちだが、佐藤氏の思いはそのまったく逆だ。証券会社の営業マンから外食業界に飛び込み、痛感したのが給与水準の低さ。「従業員の努力、成果に相応しい報酬を払えるようなビジネス構造になっておらず、そこを抜本的に変える必要がある」(佐藤氏)と考えたのである。
佐藤社長は各店の店長に「代表」という肩書を付けている。単なる店舗運営のリーダーではなく、店舗の経営責任者として位置付けていることの表れだが、実際に店長の報酬制度にも「売上の2%」というインセンティブ(基本給に上乗せされる報奨金)を採り入れ、給与水準の引き上げを図っている。
キャッシュポイントの拡充が社員の給与原資を増やすための鍵
また、社員の給与原資を増やすために佐藤氏が試行錯誤を重ねているのがキャッシュポイントをどう増やせるかということだ。その思いを佐藤氏は次のように説明する。
「たとえば独立を目指している横田は、いずれ当社を退社して自分の店を持つことになると思いますが、彼女の知見は当社にとってなくてはならない経営資源。ですから、独立後も『kosamme』などを運営支援してもらえるようにマネジメント契約を結ぶことも検討しています。私自身もコンサルティング事業など複数の収入源がありますが、横田も自分の店の売上とマネジメントという複数の収入源を持つことでより生活にゆとりが生まれるはず。外食の現場は体力勝負のところも大きいですから、これを全社規模で展開していくことにより、現場から離れてもきちんと収入を得られる職場環境を整えていきたいと考えています」
「外食事業を核に新たなビジネスの可能性を追求し、労働集約型産業である外食業に革命を起こす」と強気に語る佐藤氏。そのチャレンジに今後も注目していきたい。
『kosamme』
住所/東京都目黒区青葉台1-30-2 THE CITY NAKAMEGUROⅡ3F
電話番号/03-6303-3601
営業時間/月~金18:00~23:00、土日祝17:00~22:30
定休日/火曜
坪数・席数/20坪・34席
https://www.instagram.com/kosamme1302_
