2024年度の最低賃金、最高額は東京都の1,163円! 大阪・北海道・愛知・福岡は?
厚生労働省は8月29日、地方最低賃金審議会が答申した2024年度の地域別最低賃金の改定額を公表した。1時間あたり50円引き上げという国の中央審議会が示していた目安額を上回る県は27にのぼった。答申された改定額は、都道府県労働局での関係労使からの異議申出に関する手続きを経た上で、都道府県労働局長の決定により、10月1日から11月1日までの間に順次適用される。すべての働く人が対象だ。
>>飲食店“専門”の求人サイトだから即戦力が見つかる。社員とアルバイトまとめて19,800円で掲載可!
改定額の全国平均は過去最高の1,055円。東京・神奈川・大阪がトップ3
2024年改定額の全国平均は過去最高の1,055円。改定額が最も高かったのは東京都で1,163円、2番目は神奈川県で1,162円、3番目は大阪府で1,114円だった。以降は埼玉県が1,078円、愛知県が1,077円、千葉県が1,076円と続く。また、中心都市を持つほかの都道府県を見ると、北海道は1,010円、福岡は992円だった。
なお、最低額は秋田県の951円。最高額と最低額の差は212円で比率では81.8%。開きがあるように見えるが、昨年度の80.2%から狭まっており、比率は10年連続で改善している。
また、時給1,000円を超えた都道府県は16と倍増。新たに加わったのは、北海道、茨城、栃木、岐阜、静岡、三重、滋賀、広島だ。残りの31県では950円を超えたため、来年度の改定で全都道府県での1,000円超えが見えてきた。
【注目記事】『大衆食堂スタンドそのだ』3か月で月商700万円達成。下北沢でも活かされた「勝利の方程式」
働き手確保のため、地方で積極的な引き上げが進む
引き上げ額で見ると、最も高かったのは徳島県の84円。目安より34円も高く、異例の大幅増加といえる。続いたのは、愛媛県・岩手県の59円、島根県の58円だった。地方で引き上げ額が伸びている背景には、働き手が首都圏や近隣県へ流出することへの懸念がある。都市圏との格差を是正し、人材の獲得につなげたい狙いだ。
最低賃金の引き上げは、労働者の生活を支え、守ることにつながる。特に近年は物価上昇が続いているため、非常に重要な措置だ。飲食店では人件費の上昇に影響を及ぼすが、人材の流出を防ぐためにはやむを得ない面もある。
