スタバやスシローに続き、マクドナルドもアルバイトらの髪色自由化。ルール緩和で人材確保へ
9月10日、日本マクドナルドは全国の店舗で働く社員やアルバイト約20万人を対象に、髪色に関する制限の撤廃を発表した。同社は創業時から「人」がビジネスの基盤という考え方を大切にしており、自分らしく働きポジティブに仕事に取り組んでほしいという考えから、髪色の自由化に至ったという。
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『マクドナルド』、髪色自由化で人手不足解消に兆し
日本マクドナルドでは、まず天王寺北口店(大阪市)で試験的に髪色の自由化を導入。その結果見られた、クルーのモチベーションアップ、採用人数の増加といった効果が、正式導入を後押しした。採用人数増加の背景にあるのは、単純な応募数の増加だけでない。アルバイトが「自分らしく働ける職場」だと知人に紹介するようになった影響が大きいと見られ、今年4月の採用は前年の約3倍にまで増加した。なお、「清潔感のある髪形」や「装飾品は身につけない」という規定は維持する方針だ。
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近年では『スターバックス』『スシロー』なども従業員のドレスコードを改定
スターバックスコーヒージャパンは、1996年の日本上陸時に定めたドレスコードをはじめて改定し、2021年8月に髪色の制限をなくしている。同社の「日常の自分を表現し、自然な振る舞いでの接客ができるように」という思いをかたちにしたものだ。現在では、金色、緑色、ピンク色などに髪を染めた従業員を目にすることも珍しくない。また、あきんどスシローでは2023年11月にドレスコードを改定。自由な髪色・髪型(勤務中は、帽子・ヘアネットに入れる)とともにヒジャブの着用も可能にした。同社は「より個性を活かしながらいきいきと働くことでお客様への価値向上につなげていける」との考えを示している。
各社に共通するのは、髪色の自由化が結果としてプラスに働いていることだ。新規の人材確保だけでなく、既存従業員のモチベーション向上にもつながっている。自分らしく働けるというポジティブな気持ちの変化はもちろんだが、髪色がお客との会話のきっかけになったり、逆に髪色のせいでだらしない印象にならないよう、身だしなみや接客を改めて見直したりと、仕事への向き合い方にも良い変化が表れているようだ。髪色の自由化に限らず、今後働く場に多様な価値観を取り入れていくことは、人材確保に悩む飲食業界にとってひとつの課題となるだろう。
