坪月商45万円! 超繁盛店『リ・カーリカ』の姉妹店『ta.bacco EBISU』は“若手の登竜門”
レストランのクオリティの仕込みをラボで行う
オープン当初は決まったメニューを置かず、お客の腹具合やリクエストを聞きながらおまかせで料理を提供していたが、「コース料理の店」というイメージを持たれがちであったことから、もっと気軽に利用してもらいたいとア・ラ・カルトに変更。オリーブの肉詰めは豚肉を使う現地のスタイルを鹿肉に変更するなど、堤氏がイタリアで学んできた郷土料理にアレンジを加えた料理が並ぶ。
それらの仕込みの多くを行なっているのは、同社のラボ。手打ちパスタやブロード(イタリアのだし)といった時間や技術を要する仕込みをラボで担い、店舗での調理をなるべく簡略化することで、若手のみのオペレーションを可能にしている。
また、例えばブロードはゆっくりと時間をかけ、大量に仕込むことでより美味しい仕上がりになるが、そういった高級店のクオリティが小規模なカジュアル店でも提供できるというメリットもある。なお、営業はディナータイムになるので、スタッフは日中にラボで仕込みをし、腕を磨いている。メニュー開発や調理技術、売上管理などにおいてさまざまなプログラムを設け、若手スタッフの育成に努めているという。
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人を成長させ、循環させる飲食店を目指す
2023年3月には、東京ミッドタウン八重洲の2階にも若手スタッフ中心の『ta.bacco YAESU』がオープン。しかし八重洲の出店は2年半限定の契約で、『ta.bacco』ブランドとしてのこれ以上の店舗展開は今のところ考えていないという。
「若手の登竜門としての位置づけなので、それほどたくさんの店舗は必要ないと思っています。これまでも『ta.bacco』で経験を積んだスタッフが系列店に異動したり、別の飲食店へ転職したりして活躍しています。当社は人が成長していくことで店舗を展開してきた会社なので、今後もその循環がうまくいくような仕組みを作っていきたいですね」
今年10月10日には創業の地、学芸大学の高架下で新業態の『TUTU(トゥトゥ)』がオープン。昼はフォカッチャサンドを看板に据え、11月から開始する夜の営業ではナチュラルナワインとともにタパスも楽しめるスタンドバーになる。フォカッチャサンドは、近年イタリアを中心に欧米で店舗が増えており、堤氏が前々から着目していた業態だそう。ここでは系列店で経験を積んできたスタッフとともに、堤氏も現場に立っている。若手を育成し、“三方よし”を目指す堤氏の経営術、今後の展開にも注目したい。
『ta.bacco EBISU(タバッコ エビス)』
住所/東京都渋谷区恵比寿西1-13-7 恵比寿西5ビル202
電話番号/080-9715-2323
営業時間/月~木18:00〜24:00、金18:00〜25:00、土日祝17:00〜23:00
定休日/不定休
席数/16
