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『呑ん処二〇九』など渋谷ドミナント全店で月商1,000万円超。209流「永続的」繁盛店のつくり方

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AGTK株式会社・代表取締役の宮村栄宏氏

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『シブヤバル209』『呑ん処二〇九』『209スタンド』の渋谷ドミナント3店舗は、いずれも月商1,000万超。2023年2月には浅草に『呑みやしき209』を開業し、スペイン進出も視野に入れるAGTK株式会社。15年間、渋谷を中心に居酒屋を経営してきた代表の宮村栄宏氏に、長く愛される店づくりについて取材した。

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自分が行きたい店を主軸に、「月商1,000万超を狙える店」をつくる

大学時代から約11年在籍したグローバルダイニングを卒業した宮村氏が、渋谷の道玄坂小路に『Wine&Tapas IZAKAYA シブヤバル209』をオープンしたのは2009年11月。「まだ居酒屋が現在のようにフィーチャーされず、洋食業態が強い時代でした。もともと自分がスペイン好きだったので、スペインバルを意識しながらもっと気軽にワインと軽いつまみ(タパス)を楽しめる店として立ち上げました」と宮村氏。その後、「肉バル」や「餃子バル」といった具合に多種多様な「バル」が登場するトレンドの先駆け的存在として人気を博し、今日に至っている。

2店舗目は、2015年5月開業の『アジアンバル209』。アジアン料理が流行っていたことに加え、グローバルダイニング時代の先輩も次々とアジアン業態をヒットさせていた時期のオープンであった。同店はその後、料理長の退職とともに2020年7月、『209スタンド』としてリニューアル。客単価は6,000円に伸び、35坪で月商1,000万円以上をコンスタントに売り上げている。

自身の店づくりについて「自分がお客さんとして行きたいお店をつくることが大前提。その上で『月商1,000万を超えるポテンシャルがある』というのが絶対条件。10坪ちょっとの店だと上限が見えてしまうので、店舗規模は15坪以上40坪未満が多いです」と語る宮村氏。2017年12月にオープンした『呑ん処二〇九』は最も小規模の約17坪だが、平均月商1,000万円をキープしている。

道玄坂沿いの雑居ビル1階に立地。入口が奥まっているおかげで、超一等地ながら隠れ家感もある

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天ぷらを軸にメニューを絞り込み、アルバイトだけで回せる店に

『呑ん処二〇九』は、将来的な会社の成長を見据え「アルバイトのみで営業可能な店」として開発した業態だ。社員がいなくても回せる店づくりを工夫し、営業時はキッチン2人、ホール3~4人の5~6人体制に。メニューは、「天ぷら、ちょっと寿司、たまにすき焼き」をコンセプトに、1個80円から注文可能な天ぷらを看板商品に据えてお値打ち感を訴求。ツーオーダーで揚げる天ぷらのほかは、仕込み置きしておいてすぐに出せるスピードメニュー、またはフライヤーで上げる素揚げメニューとし、寿司も握りは置かず押し寿司のみにするなど、調理のオペレーションを徹底して簡素化している。

名物メニューは、「大根の天ぷら」。某ファストフード店のパロディであり、系列店でもおなじみの取り組みだ。「お客さんが情報拡散してくれるのは構わないが、自店からはSNSなどで発信しない」ことをルールと課しており、あくまで来店客に楽しんでもらうことを目的としている。

メニューの半分以上が揚げ場で調理される

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/