閉店しやすい飲食業態トップ5に「テイクアウト」がランクイン。生き残りの厳しい業態を調査
飲食店ドットコムは2016年~2024年のデータをもとに、閉店しやすい飲食業態を調査した。閉店した店舗数を業態と営業年数ごとに集計したところ、「お弁当・惣菜・デリ」、「そば・うどん」、「ラーメン店」、「カフェ」、「テイクアウト」は営業3年以内に6割以上の店舗が閉店していたことがわかった。
「お弁当・惣菜・デリ」、「そば・うどん」、「ラーメン店」、「カフェ」については昨年も同様の傾向を示しており、約3割の店舗が営業1年以内に閉店しているというデータもある。今年の調査では、これら4業態に加えて「テイクアウト」が新たに閉店しやすい業態として加わる形となった。
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「テイクアウト」は3年以内の閉店率が増加。「ラーメン店」「カフェ」は依然生き残りが厳しい状況
「お弁当・惣菜・デリ」、「そば・うどん」、「ラーメン店」、「カフェ」の営業3年以内の閉店率が昨年比3%未満の差に留まっているなか、「テイクアウト」は昨年の56.07%から60.29%へと4.22%増加。「バー」や「アジア料理」などを上回り、閉店しやすい業態トップ5へ加わった。
「テイクアウト」は比較的低コストで出店できるという利点がある一方で、誰でも参入しやすい点が生き残りの厳しさに繋がっていると考えられる。また、コロナ禍の収束とともにテイクアウトブームが落ち着いたことも関係しているだろう。
「ラーメン店」や「カフェ」は出店したい業態として人気が高い一方で、同じく上位に位置する「居酒屋・ダイニングバー」と比較すると、営業3年以内の閉店率が高い。「ラーメン店」(62.65%)や「カフェ」(61.79%)に対し、「居酒屋・ダイニングバー」(46.34%)は、閉店率に15%以上も差がある。この結果から、「ラーメン店」や「カフェ」は依然として経営が難しい業態であることが浮き彫りになっている。
長く存続しやすい業態は競合が少ない「寿司」「和食」
昨年に引き続き、3年以内の閉店率が40%を下回るのが「寿司」(32.43%)、「和食」(35.90%)である。2業態において営業年数が11年を超える店舗の割合は「寿司」(37.84%)、「和食」(28.72%)と他業態に比べて高く、安定した数字を示している。「寿司」、「和食」に次いで長寿命とされるのは「フランス料理」(40.29%)である。
3業態とも専門的な技術が必要かつ、参入障壁が高い。競合が少ない点が、経営の安定性に繋がったと言えるだろう。
過去のデータを読み解くと、閉店しやすい業態、息の長い業態の傾向が見えてくる。新たに飲食店の開業を検討している方は、こうした現状も考慮しておく必要があるだろう。
