新宿横丁内で坪月商94万円。『琉球チャイニーズ シシシ』の“目的客を増やすメニュー”とは?
常に目的客を意識しながら、メニュー開発を行う
一方、ドリンクは、ナチュラルワインと泡盛をおすすめとして打ち出し、サワーはあえて種類をおかずにオーダーを集約させている。ワインは、赤・白・ロゼ・オレンジで常時10種類程度を揃え、グラス780円~、ボトル5,000円程度で提供する。はしご酒やちょい飲みも多い横丁という立地特性もあり、ボトルではなくグラスでいろいろな種類を飲みたいというニーズに応えるラインアップとなっている。
もうひとつ、同店の強みと言えるのが、人材募集などの人事や、販促・SNSといった集客活動をその道のプロである外部に委託していることだ。同店のインスタグラムは、写真のテイストや文字の載せ方などが統一され、店の世界観をうまく伝えている。
「飲食店は立地が大事だと言われますが、お客さまの母数が多いか少ないかの違いで、目的客をつくらないとどこで商売しても難しい。目的客をつくるには、その店で働く人の強みを活かして、働く人が誇れるブランドにすることが大切であり、料理人が料理に集中できる環境を整えることは企業の収益を上げるためにも必要だと考えています」と倉橋氏。専門家の力を借りてブランディングを行なうことで、料理人である倉橋氏は料理に専念でき、よりパフォーマンスを高めることができるという。
また『シシシ』では今後、フランチャイズも視野に入れた店舗展開を計画している。「横丁のようなお客さまとの距離が近い小規模店は、スタッフの力量に売上が左右される場合が大きく属人性の高い業態といえますが、当店では集客力のあるメニューを開発し、それをどのスタッフも同じレベルで作れるような調理オペレーションに落とし込むことで、フランチャイズ化も可能なビジネスモデルの構築に挑戦しているところです」と倉橋氏。出店を見据え、採用や教育の仕組みづくりも強化している最中だという。
『琉球チャイニーズ シシシ 新宿本店』の例にあるように、都会の横丁に訪れるお客は、「横丁の雰囲気を味わって飲みたい」という動機から「横丁内の〇〇という店に行きたい」というように、目的来店が増えているのかもしれない。オペレーションの最適化とスタッフの強みを活かしながら、ぜひ自店ならではの魅力を輝かせていってもらいたい。
『琉球チャイニーズ シシシ 新宿本店』
住所/東京都新宿区新宿3-20-8 新宿横丁
電話番号/080-7489-9431
営業時間/17:00~24:00(金曜17:00~翌1:00、土曜12:00~翌1:00、日曜12:00~23:00)
定休日/無休
席数/14
https://www.instagram.com/sisisi.shinjuku/
