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狙い澄ました坪月商80万円。恵比寿『肴場あおもん』に学ぶ1号店のブラッシュアップ術

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「土鍋de痺れ肉豆腐」(1,078円)は、品質とオペレーション効率を両立させるために何度もレシピを練り直した商品

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店長のキャリアをメニュー開発で最大限に活かす

名物メニュー以外の商品については、「オープン当初は半分くらいが共通メニューでしたが、メニュー改定を重ねるにつれて『肴場あおもん』らしさが構築され、独自メニューの割合が増えました」と渡辺氏は言う。

「四川風よだれ鶏」(1,078円)や「海老と菜の花の春巻」(528円)、「土鍋de痺れ肉豆腐」(1,078円)など中国料理のアレンジメニューを多く取り揃えているが、これは『肴場あおもん』店長の山中忍氏が中国料理レストランでの勤務経験が長かったことによる。

そして、渡辺氏は坪月商80万円という目標を達成できたのも山中氏の力が大きいという。

「私は人材ありきで出店を捉えており、『肴場あおもん』を出店したのもスタッフが成長してきたからこそ。店長の山中は、高品質であることはもちろん、オペレーション効率も加味したメニュー開発に取り組んでおり、そうした創意工夫が売上アップにつながっています」

3月12日オープンの新店は21歳の女性が店長

アルコールの商品ラインアップでも山中氏の工夫が随所に光る。

ドリンクメニューは5割が『酒肴あおもん』と共通だが、山中氏が中国茶に詳しかったことから投入したのが『鉄観音茶ハイ』(748円)と『キーマン紅茶ハイ』(748円)。また、ギャルソンとしてフレンチレストランに勤務した経験を活かし、いま力を注いでいるのがワインの品揃えだ。

ワインを除いたドリンクメニューはビール、サワー、お茶割など7カテゴリ40種を揃える

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山中氏の要望に応え、2025年1月にワインセラーを店内に設置。桃やキウイで造ったフルーツワインやクオリティが急上昇している中国産ワインなど常時30種のボトルワインを用意しており、「ワインの品揃えを増やしたことにより、アルコール売上比率が10ポイントアップして60%に増えました」と渡辺氏は話す。

山中氏がセレクトするボトルワインは3,500~30,000円のプライスレンジで30種を常備

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1、2号店を立て続けにヒットさせた株式会社青者。その勢いを駆って2025年3月12日には新店の『食卓あおもん』を中目黒にオープンした。驚くべきは21歳の女性スタッフが店長を務めていることだ。

「しかも彼女はキッチン勤務の経験すらありません」と笑う渡辺氏。

「失敗は人を育てるというのが持論。山中も失敗を繰り返して成長しましたから、彼女も失敗を経験して成長してほしい」と渡辺氏はその思いを熱く語る。

『肴場あおもん』
住所/東京都渋谷区恵比寿南3-4-1 Mトリアノン102
電話番号/03-6452-4649
営業時間/17:30~23:30
定休日/不定休
坪・席数/10坪30席
https://www.instagram.com/sakaba_aomon/

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。