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『松屋』『吉野家』が値上げや深夜料金導入。下がらないコメ価格、原材料費高騰が原因か

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画像はイメージ。画像素材:PIXTA

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2025年4月、大手牛丼チェーンの『松屋』『吉野家』が値上げし、『松屋』『マイカリー食堂』では深夜料金導入店舗が拡大された。今回は、『松屋』と『吉野家』の値上げについて紹介する。

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『松屋』『マイカリー食堂』では値上げのほか深夜料金導入店舗拡大

『松屋』および『マイカリー食堂』(『松屋』もしくは『松のや』との併設店舗のみ)では、2025年4月22日(火)15時から一部商品の値上げを行った。主な商品では、『松屋』の「牛めし(並盛)」が430円から460円、「牛焼肉定食」が840円から890円、「ソーセージエッグ定食」が490円から530円に値上げとなった。『マイカリー食堂』では、「オリジナルカレー(並盛)」が530円から550円、「ロースかつカレー(並盛)」が760円から780円へ値上げとなっている。

また、2024年7月から1都6県(東京都・千葉県・埼玉県・神奈川県・茨城県・栃木県・群馬県)の『松屋』『松のや』(併設店の『マイカリー食堂』を含む)が深夜料金を導入していたが、今回導入店舗が拡大された。一部店舗の『松屋』『松のや』(併設店のマイカリー食堂を含む)において22時から翌5時までに注文した場合、深夜料金として7%前後が加算される。

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『吉野家』では本体価格40〜70円の値上げ

吉野家』では、2025年4月10日(木)14時から一部商品の値上げを行った。各種丼商品の「並盛」「アタマの大盛」「大盛」は40円の値上げ、「特盛」「超特盛」は60円の値上げ、定食は70円の値上げとなっている。ただし、「牛丼小盛」「牛丼並盛」「朝食メニュー」など一部の商品は値上げを行わず、店内でのご飯の増量、おかわり無料サービスは継続するとしている。

この値上げによって、店内飲食での「牛丼(大盛)」は696円から740円、「牛丼(特盛)」は872円から938円、「から揚げ丼(並盛)」は575円から619円となった。

備蓄米放出もコメ価格には影響なし

今回の値上げの原因としては、『松屋』『吉野家』ともに、原材料価格の高騰や光熱費、人件費の上昇を受け、品質を維持して安定供給を図るためとしているが、その中でもコメ価格の高騰が続いていることが大きいと考えられる。

農林水産省は3月から備蓄米計21万トンを放出し、4月には追加で10万トンを放出、今後も7月まで継続的に対応するとしている。しかし、日本では年間700万トンのコメが消費されており、備蓄米の放出はそのうちの数%でしかない。また、備蓄米の流通も停滞していると見られ、コメの価格は下がっていないのが現状だ。

2025年の新米が出回れば価格にも変化が起きる可能性があるが、しばらくコメ価格は高騰したままだと考えられる。コメ以外の原材料も高騰しているうえ人手不足も続いている今。今後はその他のチェーンや飲食店への影響も懸念される。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com