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砂田兄弟の昼業態・渋谷『CHERRY PICK HILLS』。ファミレス×カフェの普遍性に着目

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メニューリスト(2025年4月現在)

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多様な人が交わる渋谷をつなぐ「ザ・日本の朝食」

結果、グランドメニューに据えたのは、子どもから大人にまで愛される「王道」メニューばかり。一品物も豊富にそろえ、ネーミングもとことんシンプルに、直球勝負に出た。

一方で意図的に、彼らなりの強いメッセージを打ち出したメニューも。それが、朝8時〜10時半限定のモーニングだ。白米にみそ汁、塩鮭、卵焼き、納豆など、やはりここでも普遍的な日本の朝食の姿が表されているのだが、これだけの数の手作り惣菜がそろうことは逆に一般的ではないだろう。

康太氏はその目的を、「一日をデザインする上で、いい朝は必ずその日を充実させてくれる」という思いのもと、懐かしい当たり前の日本の朝食を、渋谷らしく・現代らしく、そして『CHERRY PICK HILLS』らしく届けたいと語ってくれた。

「温故知新」がテーマの「THE NIPPON BREAKFAST」(1,980円)。少量多品には、居酒屋で培ったノウハウが活かされている

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「僕らの地元・岡山県にも、朝6〜7時だけ一般客向けに営業しているうどん製麺所があります。朝って、その土地のローカルな一面やカルチャーが現れる気がするんです。さまざまな地域のあらゆるパーソナリティの人が入り交じる渋谷だからこそ、みんながこの一つの『ザ・日本の朝食』を目指してここに集まれば、渋谷らしいモーニング文化が生まれるんじゃないか……、僕ららしい朝食でそんなカルチャーをつくりたいと思っています」

目の前の数字よりも、長く続くことが価値になる

最後に、本記事を読む多くの“超夜型”の飲食店経営者に向けても、「朝ごはんがもたらす充実感をぜひ体感しに来てほしい!」とメッセージをくれた二人。カフェという業態上、既存店とは客単価も売上規模も大きく異なるが、それでも、長く続けることで価値がつくられていく店だと腰を据える。

「カルチャーづくりに時間がかかるのは百も承知です。でも地に足を付けながら、少しずつ育てていきたい」(健太氏)
「10年後、『渋谷に来たら、CHERRY PICK HILLSだよね』と言われる存在になっていたいですね」(康太氏)

地下には今夏、新たな店舗も立ち上げ予定だ。まだまだ渋谷を席巻する勢いの砂田兄弟。もうしばらくは、二人から目が離せそうにない。

『CHERRY PICK HILLS』
住所/東京都渋谷区桜丘町30-8 Shibuyahills 1F
営業時間/8:00〜23:00(テイクアウトは〜22:00)
定休日/なし
坪数・席数/店内13坪・テラス3坪、25席
https://www.instagram.com/cherrypick_hills/

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RIN

ライター: RIN

カフェライター・エディター。街の小さな一軒からトレンドカフェ、昔ながらの喫茶店まで、カフェという場を通じて幸せを提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。ライフワークは"スコーンの人"(IG:@rin_125)。