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坪月商53万円の三軒茶屋『立ち飲みホルモン ひだまり』。三角地帯にない“たまり場作戦”で奏功

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扉を開けて右手の壁際にも可動式の机があり、来店客が増えたら立ち飲み席となる

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初の立ち飲み業態も、4.3坪で月商230万円、FLコストも目標を下回る順調ぶり

気になる売上について吉村氏は率直に語る。「『ひだまり』の家賃は月19万円。損益分岐点はだいたい月150万円くらいと見ています」。オープンから約1か月(取材は2025年5月8日)で、「先月(4月)の売上は220~230万円ほどでした。ただ、目標はもっと上で、半年後には定休日もなくして、月間300万円はいきたいですね」と力強い。

FLコストについては、「系列店を含めて、消耗品を除き57%以下が目標です。うちは仕入れが安いので、近隣のお店と同じくらいの価格で出しても、自然とFLは抑えられる。その分、良い食材を使っても目標内に落ち着く算段です。『ひだまり』では目標FLより大幅に利益が出ていて、かなり優秀ですね」と、仕入れの強みを活かした経営戦略を明かす。

ロスになりそうなモツは「醤油もつ煮」630円に活用する工夫も。卵3~4個を使いミルフィーユのように仕上げる「出汁巻き卵」680円は、その大きさから「枕」の愛称も持つ

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客単価は取材日時点で3,000円強。「三角地帯は0次会や2次会、3次回の利用が多く、ガッツリご飯を食べるというよりお酒メインの方が多い。なので、もう少しフードをオーダーしてもらう工夫は必要だと高井とも話しています」と分析する。三角地帯の夜は遅く、実際に営業してみて21時、22時以降に来客が増えるため、現在は18時から午前3時までの営業。深夜も営業しておりボリューム感のある料理もあるため、近隣の飲食店で働く同業者が仕事後に来店することも多いという。

ちなみに系列店はそれぞれ異なる業態であることから、客層も異なる。下北沢『酒場たいよう』は美容師や古着屋で働く人などが多く客単価4,500円ほど、あてまきが名物の三軒茶屋『餐茶』は30~40代のワーカーが多く客単価6,000~7,000円。一方3階建てで宴会需要もある『大衆酒場ひので』は若者が多く客単価3,500~4,000円ほどだ。

期間限定メニューの「フレンチトースト」680円は吉村氏が惚れ込む高井氏の得意メニュー。こちらも鉄板で焼き上げた出来立てが提供される

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今後は下北沢に生ハム専門店や夜カフェ、藁焼き業態の開業を目指す

今後の展開について尋ねると、アイデアは尽きない。「来年は下北沢で生ハムの店をやりたいですね。藁焼きか夜カフェも考えていて、今後は酒場ではなく『○○屋さんに』に特化していきたい。三茶と下北沢でそれぞれ3、4店舗ずつ展開して、次の街へ、というのが理想ですね」。

吉村氏の言葉には、飲食業への深い愛情と、仲間たちと共に未来を切り拓いていくという強い決意がみなぎっていた。創業10年後の店舗展開図が、今から楽しみでならない。

『立ち飲みホルモン ひだまり』
住所/東京都世田谷区三軒茶屋2-13-9 宮下店舗2号1F
電話番号/なし
営業時間/18:00~27:00 (L.O.26:30)
定休日/火曜
坪・席数/4.3坪・スタンディング15席
https://www.instagram.com/hidamari.0401/

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ためぞう 東京都 居酒屋・ダイニングバー 既存店舗なし
同じ店作らない。私の考え方と同じです。コピーの様なコスト重視のチエーン店興味無いし。店は作品なんですよ。同じ絵描けません
2025年05月29日 14時02分46秒
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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。