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パンが主役のビストロ、日本橋兜町『Bistro yen』。ブームを超えた右肩上がりの成功戦略

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マネージャーの井原彩さん(前列左)とスタッフの皆さん

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2022年12月、併設するベーカリーのパンを存分に楽しめるという『Bistro yen(ビストロ イェン)』が日本橋兜町に誕生した。オープン以来、同店の売上は年々上昇中だ。近年、その手軽さや種類の多さなどからパンの人気が再燃。さらにパンをつまみにお酒を飲む「パン飲み」というスタイルが、新たな楽しみ方として定着しつつあり、特にパンと相性の良いナチュラルワインとの組み合わせはブームにもなっている。そんな背景の中、新しい文化の発信地として注目される日本橋兜町で、『Bistro yen』はどのような食体験を提供しているのか、マネージャーの井原彩さんにうかがった。

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コンセプトは「パンをおいしく食べる料理」

かつて銀行だった建物をリノベーションし、2022年12月15日、日本橋兜町にオープンした⾷の複合ショップ「BANK(バンク)」。「BANK」内にはベーカリー、ビストロ、コーヒーバーと雑貨、フラワーショップが入っており、全体のプロデュースを同じ⽇本橋兜町にあるパティスリー『ease(イーズ)』を展開する⼤⼭恵介さんが担っている。

「BANK」1階の「Bakery bank」に併設する『Bistro yen』では「パンをおいしく食べる料理」をコンセプトに、フランス料理をベースとした創作料理を提供。「bankの美味しいパンをお好きなだけ」というメニューがあり、毎日5~6種類のパンを日替わりで楽しめる。この“bankのパン食べ放題”という魅力的なメニュー目当てに、遠方から訪れるパン好きの女性客も多いという。

人気メニュー「bankの美味しいパンをお好きなだけ」(1,200円)はオリジナル熟成発酵バター付き(画像提供:Bistro yen)

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「パンに料理のソースをつけて召し上がっていただきたいので、肉料理やパスタ、カルパッチョやトリッパなどはソースを普通より多めにして、『このソース、おいしいからパンにつけたいな』と感じるような味付けに工夫しています。パンをたくさん楽しんでいただけるよう、お料理の一皿はあえて多すぎない量にしています」と井原さんは話す。

ソースを余すことなく楽しむ習慣「スカルペッタ」を日本に広める

イタリアではパスタなどを食べた後、お皿に残ったソースをパンでぬぐって食べることを「スカルペッタ(scarpetta)」といい、ソースを余すことなく楽しむ習慣がある。それが料理のおいしさの証しともいわれるそうだ。

「このスカルペッタを日本でもっと広めようというのが、『Bistro yen』のプロデュースをしている大山のアイデアでもあるんです。メニュー作りのベースにもなっていますし、私たちの使命でもあると思っています。お皿に残ったソースをパンにつけて食べる習慣のないお客さまもいらっしゃるので、実際にお料理を提供する時にご説明したり、できるだけスタッフがお声掛けして、食べ方や楽しみ方をご提案しています」

「御養卵のカルボナーラ」(2,400円)。パスタを食べ終わったあとのソースは、パンにつけて楽しむ(画像提供:Bistro yen)

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小坂知美

ライター: 小坂知美

学生時代からの食への探求心と食いしん坊が高じて、フードライターとして活動中。飲食業界でパティスリーやレストラン等の広報・PRに就いていたことから、取材を受ける飲食店側の立場も経験。作り手のこだわりと愛情が詰まった、美味しいものを食べているときが至福の時間。