“野毛飲み”をけん引するネオ中華『AM:PM』。“映え一辺倒”を脱し月商700万円
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ホッピーにヒントを得た、オリジナルの割ものがヒット
一方、ドリンクは、オリジナルのレモンサワーと、「シャリも。」が人気商品。「シャリも。」は、ホッピーの「ナカ・ソト」や、「シャリキン」といった飲み方からヒントを得て開発されたオリジナルドリンクだ。シャリシャリに凍らせた焼酎に、オリジナルの瓶詰めソーダを注いで楽しむスタイルで、マスカットやオレンジなど5種類を用意している。並べて写真を撮りたくなるおしゃれなボトルやカラフルな見た目が受けており、アルコールの売上に大きく貢献している。その比率は売上全体の約50%を占めるほどだ。
野毛で働くワーカーをリピーターにつけ、経営を安定化
店づくりで若者を意識したものの、実際の客層は20~50代まで幅広いという同店。実は創業当時、差別化の要素として、カラフルなネオンサインや、インスタ映えを狙ったメニュー、「生チンジャオロース」といった奇をてらったメニューを出すなど今よりも尖った店づくりを打ち出していたという。
「ですが、売上のトップラインにはそうしたメニューは上がってこなかったですし、若者は1度来ておしまい。店を軌道に乗せるには、平日から野毛で飲む近隣のワーカーに、いかに日常的に利用してもらうかが大事だと考え、大衆酒場に寄せた店に変えていきました」と高村氏は説明する。
「どの店舗も、出店したときが完成形ではなく、やりながら現場のスタッフが変えていく。チャレンジしてダメでも、修正力があるのが弊社の強みだと認識しています」
野毛にない「グループ客が入りやすい店」も強み
また、野毛で支持される理由を高村氏は、「この街になかったポジションをとれているからだ」と分析する。例えば『AM:PM』は、「ネオ町中華」というコンセプトとモダンな空間づくりに加え、カウンターとテーブル、ボックス席があり、グループ客が入りやすい点も、10坪前後の小規模店が多い野毛ではストロングポイントになっているという。
加えて野毛では、「同じ企業の店、ということで選んでくれるロイヤルカスタマーが一定数いる」と高村氏。お客とスタッフの距離が近く、店舗間でスタッフの行き来もあるため「Def eatの店舗のファン」のお客も少なくないのだ。
観光地化が進みよそからのお客が増えていると言われる野毛だが、マーケットを支えているのは酒場や街を愛するリピーターだ。そうした層に向け、今後も「町にないもの」をつくっていきたい、と高村氏は語った。
『AM:PM』
住所/神奈川県横浜市中区花咲町1-40 叶家ビル1F
電話番号/045-309-7531
営業時間/平日16:00〜23:00、土日14:00〜23:00(日曜のみ〜22:00)
定休日/なし(年末年始のみ休業)
坪・席数/30坪・60席
https://www.instagram.com/am_______pm/
