裏渋谷で急成長中の『ワイン酒場uiui』。“育てる店”だからこその持続的な右肩上がり経営
人気飲食店が続々と誕生する“裏渋谷”こと神泉エリアで、2024年1月にオープンした『ワイン酒場uiui』。平日でも2回転、週末は3回転するほどの繁盛店になり「“仕込みいらずのワンオペ調理”でお客の心を掴む」と2025年3月の記事にも登場したばかり。現在はスタッフの目覚ましい成長により、店舗のクオリティが格段に向上。客単価も右肩上がりで、安定した運営を実現しているという。この記事ではオーナーシェフ・島本竜士氏の育成哲学と、調理未経験のスタッフをプロフェッショナルに成長させたプロセスに迫る。
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厳しい修業時代から生まれた「人を幸せにする」働き方改革
島本氏は有名シェフが率いる人気イタリアンで修業を積んだベテラン料理人だ。しかしその厳しい環境では、心身を崩す同僚も少なくなかったという。「こうした環境を変えなければならない」との思いが募り、「食を通じて人を幸せにする」という信念が育まれた。その後、多彩な飲食業態を経験し、独立した現在は「大手企業の安定した働き方と、個人店の専門性を融合させた会社づくり」を掲げる。
「今はお店が繁盛していることもあり、ボーナスなど金銭面でも良い条件が提示できています。労働時間もなるべくコンパクトに抑え、従業員の休みを充実させることにも尽力してきました。一方で、お店を開けて“明かり灯す”ことも大切です。簡単に倒れてしまう会社にならないようバランスを重視し、安定した営業を続けるためには人材の獲得や育成も欠かせません」
正社員1名、アルバイト6名だった前回の取材時から、早くも正社員が1人増え、スタッフ10人以上の体制まで拡充した。
「先を見据え優秀な人材を確保するため、積極的に求人の窓口を増やしています。『求人飲食店ドットコム』も活用していて、それだけで40人以上の応募がありました。飲食専門の媒体なので、本気で飲食をやりたい方が集まりやすく、面談などでも話がスムーズに進みましたね」
創業から3か月は集客に苦労したが、その後の売上は右肩上がり。「回転数は平日2回転、週末3回転が適切」とのことで、売上アップの背景には客単価の向上が欠かせない。開業時の平均客単価は3,500円ほどだったが、前回の取材時には6,000円、現在では6,300円に到達した。この客単価アップの要因は、スタッフの成長にある。
「みんなが成長できたから、お店全体がより充実した、その結果だと思います。オープンしたばかりのころは、僕と、ワインの抜栓もできない学生アルバイトだけのスタートでした。僕が料理しながら、ワインのオーダーが入ったら手を止めて抜栓する状況(笑)。お客さまをお待たせしてしまう場面もあったので、価格も抑えていました。そこから徐々に成長ですね」
お店のファンが増えて客足が伸びる中、全くの未経験だったアルバイトたちも急成長。今では「ワインを通じてお客さまとコミュニケーションできるほど」の頼もしい存在に。ホールスタッフの提案力向上だけでなく、厨房スタッフの成長も客単価アップに大きく貢献している。
「厨房のスタッフの技術が上がったことで、よりお客さまに喜んでもらえる料理を提案できるようになりました。厨房がワンオペだった時期は、さっと出せる簡単なものを中心に提案していましたが、スタッフの技術力が上がれば、より難しい挑戦が可能になります。下処理のいる食材を使ったり、ハーブの種類を増やして風味のバランスを取ったり。メニュー内容は変わらずとも、より深い味わいが表現できるようになり、全体のクオリティが格段に向上しました」






