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2026年春闘、ゼンショー、すかいらーくなど外食大手が賃上げ。初任給32万円時代到来へ

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2026年の春闘において、外食業界大手の賃上げが相次いでいる。物価高騰や人手不足が進む中、昨年に引き続き賃上げ傾向にある状況だ。今回は、外食業界大手の2026年春闘の結果について紹介する。

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外食業界大手2026年春闘、昨年に続く高水準の賃上げ回答

2026年春闘は3月18日に集中回答日を迎え、各社の回答が出揃ってきた。昨年に続き物価上昇への対応と人材確保・定着を目的とした賃上げが続いており、ゼンショーホールディングスでは14年連続でのベースアップとなっている。以下に各社の動向をまとめた。

■すかいらーくホールディングス
『ガスト』『バーミヤン』などを展開するすかいらーくホールディングスは、ベースアップと定期昇給を合わせた平均5.35%(2万173円)の賃上げで合意した。さらに2025年の好業績に報いるため、春季賞与に0.3か月分の「特別業績一時金」を上乗せする。合計では6.8%となり、4年連続の満額回答を達成。すかいらーくホールディングス、すかいらーくレストランツの正社員約4,138名が対象だ。

■松屋フーズホールディングス
『松屋』を展開する松屋フーズホールディングスは、4月1日から正社員約2,000名を対象にベースアップを実施。ベースアップと定期昇給で6.13%の賃上げとなった。住宅手当増額や福利厚生サービスの拡充といった他の賃金改定を含めると最大10.06%となり、昨年の10.12%に続いて3年連続で10%台の賃上げを実現した。大卒の新卒初任給は26万5,000円から27万円へと引き上げられる。

■ゼンショーホールディングス
『すき家』『はま寿司』などを展開するゼンショーホールディングスは、正社員1,491名を対象に平均6.7%(2万9,219円)の給与引き上げで妥結した。内訳は定期昇給3.5%とベースアップ3.2%となっており、ベースアップは14年連続となる。新卒初任給(大学卒の場合)も1万円引き上げられ、32万2,000円となった。直近5年間(2022〜2026年)の累計賃上げ率は50.9%に達しており、同社は2030年までのベースアップ継続を労働組合と合意している。

■王将フードサービス
『餃子の王将』を運営する王将フードサービスは、組合要求2万2,379円に対して平均2万2,594円(賃上げ率5.9%)で満額回答した。ベースアップを含む賃上げは4年連続となり、直近4年間の累積賃上げ率は約37%に達する。同社では人的資本への投資を重視する姿勢を示しており、持続的な業績向上へ向けた取り組みを継続する方針だ。

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■モスフードサービス
『モスバーガー』を展開するモスフードサービスは、2026年4月分の給与から全社員約650名に対して5%の賃上げを実施した。内訳はベースアップ平均3%と定期昇給2%で、昨年と同水準の賃上げとなる。物価上昇による社員の生活不安の軽減と、新卒・キャリア採用競争力の強化を目的としており、同社のベースアップは3年連続となった。

■ワタミ
『和民』などを展開するワタミは、2026年度にベースアップや定期昇給などを合わせた7%の賃上げを目指すと表明した。正社員約1,200名が対象で、昨年実施の5%を上回る水準を目指す。同社は2025年を起点に毎年7%の賃上げを継続し、10年後に給与水準2倍を目指すという長期方針を掲げている。

■ハイデイ日高
『熱烈中華食堂日高屋』などを運営するハイデイ日高は、2026年4月1日から正社員約1,050名を対象に平均7.1%(2万3,275円)の賃上げを実施した。ベースアップは平均1万8,275円(5.6%)で6年連続。2月に支給済みの「成長分配金」を含む実質的な賃上げ率は約12.8%となった。また、新卒初任給は一律9,000円引き上げられ、大卒で28万円となる。

■コロワイド
『牛角』を展開するレインズインターナショナルなどを傘下に持つコロワイドは、ベースアップと定期昇給を合わせて平均6%(月額平均2万1,000円)の賃上げを実施した。労働組合の要求に対して満額回答となり、6%の賃上げは3年連続。また、外食事業会社の新卒初任給(大学卒の場合)は前年から1万800円引き上げられ、29万1,700円となる。

賃上げ継続が業界全体のトレンドに

2026年の春闘でも、外食業界大手各社が高水準の賃上げを続けている。複数年連続のベースアップが当たり前となりつつある今、「外食業界は賃金が低い」というイメージが徐々に変わってきている状況だ。待遇改善が進めば、優秀な人材が集まりやすくなり、サービス品質や店舗オペレーションの安定化も期待できる。賃上げはコスト増ではなく、業界全体の底上げに向けた投資として考える必要があるだろう。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com