坪月商42万円を誇る学芸大学『居酒屋ホドケバ』。脱・属人化の組織づくりで“強い”飲食企業へ
かつて理屈抜きの熱量と阿吽の呼吸で動いていた組織が今、感覚頼りの経営を辞め、「まっとうな組織」へと脱皮を図っている。学芸大学の『呑屋(旧:大衆酒場アオギリ)』や都立大学の『大衆酒場はんろく』、そして2021年にオープンした『居酒屋ホドケバ(以下、ホドケバ)』など、エッジの効いた人気店を展開するアオギリコーポレーションだ。
代表の澤出晃良氏は、ここ2年で「その場のノリ」を大切にしながらも、誰でも迷わず働ける仕組み作りを急いでいる。多店舗展開のフェーズで直面した課題と、それを突破するための人事評価、さらには採用戦略の裏側に迫る。
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「楽しければいい」からの脱却。2年前に訪れた転換点
2012年の創業以来、澤出氏は「現場で起きること」を何よりも大切にしてきた。スタッフ同士の阿吽の呼吸、その場のノリで決まるメニュー。個店としての魅力は十分だったが、4店舗目となる『西口アオギリ』の出店や、学芸大学『警視鳥』の買収案件が浮上した2年ほど前、澤出氏は危機感を抱く。
「店舗ごとにやり方がバラバラで、このままでは展開の再現性が保てない。みんなの将来や自分の将来を考えたとき、ルール作りと組織化が不可欠だと感じたんです」
当時、一番の悩みは「これだけ忙しいのに、なぜかお金が残らない」という状況だった。創業当初はドリンク税込300円、刺身290円という破格の設定。客は詰めかけ、活気にはあふれていたが、手元にお金が残らない状態が続いていた。「計算ができていなかったんです」と澤出氏は打ち明ける。
「飲食業は毎日現金が入ってくるから、儲かっていると錯覚しやすい。でも、スタッフが結婚し、子供が生まれたとき、今の給与や休日数で彼らの人生を守れるのかを考えたんです。そこで2024年の年始、全社に向けて『お客さまを大切にするのはもちろんだけど、自分たちも大切にしよう』とメッセージを発信しました。自分たちの人生を豊かにするためにも利益を確保する。そこから本格的な改革を始めました」
「週休3日制」など処遇の底上げと柔軟な働き方を提案
飲食業界全体が深刻な人手不足に陥る中、同社は思い切った処遇改善に踏み切った。2025年度には、全社員の月給を一律12,500円底上げし、年間休日を10日増加させた。さらに、2026年2月からは「週休3日制」の正社員採用を試験的に導入。現行スタッフの希望にも応じられる体制を整えている。
「今いるスタッフの条件を底上げすることが、結果として一番の求人対策になる。また、実績や責任志向を重視し、入社1年ほどで店長に抜擢するケースもあります。年功序列を辞め、年齢や社歴にかかわらず、貢献度を正当に評価するように変えました」
採用チャネルについては、自由が丘『ニショク』を運営する渡部武志氏におすすめされた「求人飲食店ドットコム」を使っている。
「以前活用した大手求人媒体はコストが非常に高かったんです。弊社は採用について『来るもの拒まず』を掲げているものの、日本での滞在資格がなかったり、日本語でのコミュニケーションが難しい方からの応募が多かったりと、マッチングに課題を感じていました。対して『求人飲食店ドットコム』は、コストパフォーマンスが非常に良く、何より使い勝手がシンプル。先述した応募者のミスマッチもなく、実際に活用し始めてからアルバイトを5名採用するなど、着実な成果につながっています」
今後は、ミャンマーからの特定技能人材の受け入れも進めており、住居の手配など生活サポート体制の構築にも余念がない。





