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坪月商42万円の新宿御苑前『あずま商店』。沖縄酒場ながら“沖縄感”を封印した逆転発想の店づくり

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写真左から、「まさひろジン(沖縄)」(800円)、「ハチオウジン(東京)」(800円)、「オリオンプレミアム生ビール」(780円)、「生シークワーサーサワー」(600円)、「美ら蛍」(800円)、「黒真珠」(800円)

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メニュー表にはない“沖縄要素”が武器に!接客力を上げる驚きの秘策

東氏はsubLimeの勤務以前に、独立道場としてもよく知られている株式会社楽コーポレーションに勤務し、そこでサービスのいろはを学んだ。その接客力が『なんくるないさ~ 八王子店』の売上増を牽引する大きな武器になった。さらに『あずま商店』で特筆されるのが、沖縄要素を抑えたメニュー戦略が接客力の強化にもつながっている点だ。

「あぐー豚ロースステーキ」(2,800円)をおすすめする際には沖縄産ブランド豚のあぐー豚について説明する(写真提供:東良亮氏)

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たとえば、『あずま商店』では「お通し」(600円)で「沖縄産太もずく酢」と「赤イカりゅうきゅう」をチョイスできるが、「その商品説明がお客さまとコミュニケーションを図るきっかけになる」と東氏は説明し、さらにこう続ける。

「そもそもサービス力を高めるためには、スタッフ自身が胸を張り、接客を楽しむことが大事だというのが持論です。お通しから明確なおすすめのポイントがあることで、スタッフは自信を持ってお客さまに接することができます。ソーキそばのスープに漬け込んだチキン南蛮、希少なオリオン ザ・プレミアムなど、メニューに記載のない沖縄要素を説明することは、接客の質を上げるとともに、商品価値まで一段と高めることができるわけです」

単価アップで原価率を25%に抑え、営業利益率は25%を確保

『あずま商店』の客単価は5,400円。平日は近隣に勤務するオフィスワーカー、週末は近隣住民や新宿御苑を訪れた観光客など幅広い客層をつかんでおり、月商はこれまでに550万円まで伸ばしている。

「目標月商は650~750万円です。早い時間帯の集客が目下の課題点でしたが、試験的にはじめたSNS販促が効率よく集客につながっています。そこに本腰を入れて新規客を掘り起こすとともに、固定客をしっかり獲得することで目標突破を果たしたいですね」と東氏は語る。

注目すべきはその収益性である。単価アップの工夫によって原価率を25%に圧縮。カウンターをメインにした効率性の高い店舗レイアウトで人件費率を25%に抑制し、営業利益率25%という高収益を確保している。

「ソーキそば」(900円)。スープはチキン南蛮の下味の他、6種類のバリエーションがある玉子焼きの出汁にも使用している(写真提供:東良亮氏)

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利用動機が限定されやすい沖縄料理店の構造的な課題を、定番居酒屋メニューとのハイブリッド化で見事に解決した『あずま商店』。メニューの“ちょい足し”アレンジがもたらす高い付加価値と、そこから生まれる良質な接客コミュニケーションの好循環は、単価アップと収益性向上を目指す多くの飲食店にとって大いに参考になるはずだ。

沖縄料理の魅力を土台にしながら、あえて“沖縄料理店らしさ”を前面に出しすぎない逆転発想。『あずま商店』の業態づくりは、郷土料理の強みを活かしつつ客層、単価、収益性を広げる居酒屋開発の好例といえそうだ。

『ゆんたく酒場 あずま商店』
住所/東京都新宿区新宿2-7-3 ヴェラハイツ新宿御苑101
電話番号/03-6273-0779
営業時間/17:00~24:00(フードL.O.23:00、ドリンクL.O.23:30)
定休日/不定休
席数/29

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。