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月商1,000万円の国分寺『食堂 猿乃拳』。エリアNo.1の接客集団をいかに育てたのか?

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株式会社Romanの代表取締役である栗原遼氏

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東京都・国分寺、入り口がどこにあるかさえ分からない隠れ家的な立地でありながら、平均月商900万円、繁忙期には月商1,000万円という売上を叩き出す居酒屋がある。株式会社Romanが運営する『食堂 猿乃拳』だ。

個人店や中小規模の飲食店が慢性的な「採用難」と「早期離職」に苦しむ昨今。同店もまた、オープン当初は求人応募がまったく来ず、多額の借金を抱えながら倒産寸前の危機を味わったという。しかし現在、同店には若手スタッフが次々と集まり、アルバイトの定着率も急上昇。入社数年の若手が次々と店長として育ち、強固な自走組織をつくり上げている。

「コンサルタントが語るような理想のマニュアル」でも、「カリスマ店主の背中を見て盗め」でもない。熱量のある人間力を、いかにして現代の若者が共感する「システム」へと落とし込んだのか?

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地下にひっそりと佇む『食堂 猿乃拳』の入り口。立地の不利を覆す活気が店内に溢れる

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応募0、借金5,000万円、口座残高は6桁に。オープン当初の絶望的状況

代表の栗原遼氏は、21歳のときに国分寺の繁盛店『猿屋一家』にアルバイトとして入り、接客のノウハウを現場で叩き込まれた。その後23歳で系列店の店長を任され、26歳という若さで独立。2022年4月、譲渡された店舗を含む2店舗同時立ち上げという形でオープンしたのが、この『食堂 猿乃拳』である。

「いけるという根拠のない自信はありました」と笑う栗原氏だが、現実は甘くはなかった。30坪という中型店舗の初期投資や取得費用などで約5,000万円の借金を背負っての船出。さらに大きな壁として立ちはだかったのが「人材不足」である。

「オープニングスタッフの募集をかけても最初は応募者0人でした。その後『求人飲食店ドットコム』を利用して、飲食業界に興味がある優秀な大学生を採用できたのが一つの救いでしたね。飲食業界向けの記事を読むのが好きという、かなりポテンシャルの高い若手スタッフだったんですよ。とはいえ、最初は僕ら経営メンバー3人と大学生アルバイトだけで2店舗を回すという綱渡りの状態でした」(栗原氏)

地下という立地の悪さも手伝い、オープンから半年間は鳴かず飛ばず。月商は400万円程度にとどまり、12人のスタッフの給与と2店舗分の家賃などで、みるみるうちに資金は底をついた。

「半年で口座残高が6桁になったとき、『これ、人生終わったかもしれない』と本気で思いました。独立するまでに教わってきたのは『売上をどう上げるか』という営業力であり、組織づくりやスタッフへの教育システムについてはまったく教わっていなかったんです」(栗原氏)

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佐藤 潮.

ライター: 佐藤 潮.

ミシュラン三つ星店から河原で捕まえた虫の素揚げまで、15年以上いろいろなグルメ記事を制作。酒場系の本を手掛けることも多く、頑固一徹の大将に怒られた経験も豊富だ。現在、Webのディレクターや広告写真の撮影など仕事の幅が広がっているが、やはりグルメ取材が一番楽しいと感じている。