月商1,600万円は通過点。『赤羽割烹おもち』に聞く、せんべろの街で“売れる”店づくり
赤羽を拠点に居酒屋9軒を展開する合同会社GoZ(ゴーズ)。同社がブレークしたきっかけは、不幸中の幸いから……。2023年末に運営していた『ニュー赤羽ニクマレヤ』が貰い火による火災に遭うも、半年後に移転し『居酒屋燃えた うらめし屋 赤羽』として復活を遂げた。その話題性も呼び水となり、赤羽では比較的高い客単価4,000円台のネオ居酒屋を築いて大ヒット。11坪の小規模店が計上する月商1,000万円・坪月商90万円の売上は、2年経った今も変わらない。
今回取り上げる『赤羽割烹おもち』は、全焼した『ニュー赤羽ニクマレヤ』の跡地に建ったビルに入居し、2026年4月9日にオープン。“再出発”からわずか2か月ながら、月商1,600万円・坪月商約46万円(約35坪)を叩き出す。しかも、立ち上げたのは新業態となる「割烹居酒屋」。せんべろエリア・赤羽で異彩を放つ最新店の業態設計・運営について、統括マネージャー兼総料理長の濱田裕志氏に聞いた。
>>飲食店“専門”の求人サイトだから即戦力が見つかる。社員とアルバイトまとめて19,800円で掲載可!
せんべろの街・赤羽の実態から差別化要因を見いだす
2年半前の旧店舗の被災後、賃貸契約は解除されたものの、建て替え後はビルオーナーの計らいで、優先的に再入居できる算段だった。ところが実際にはテナント募集は公開され、競合他社との入札を経て再契約できたという。賃料は被災前の倍以上の額に……。以前の2階建て・十数坪から、建て替え後は3階建て・約35坪に拡張されたためだ。それでも濱田氏は「立地が良く、燃えた旧店舗も売れていた。(賃料は)高すぎるんですけど、運営できないレベルではない」と、再出発へ舵を切った。
再出発とはいえ、客単価2,000円強の『ニュー赤羽ニクマレヤ』の業態は踏襲しなかった。「赤羽割烹」を冠し、一番街の路地裏で営む『うらめし屋』よりワンランク上の業態づくりを志したのだ。しかし、『おもち』がある一番街シルクロードは大衆居酒屋がひしめく一帯。せんべろの街に迎合しないミドル単価の業態で、勝算はあったのだろうか? 濱田氏は語る。
「赤羽のせんべろは1,000円程度で飲めると思われていますけど、今はそうでもない。せんべろ“モドキ”のやり方をしている店が結構多い。そこに3,000円を払うぐらいだったら、うち(おもち)でプラス1,000円使った方が満足度は全然違う。また、普通にゆったりとした席で飲みたいという需要もあります。けれど、赤羽にはテーブルが狭かったり、席間隔が近い店が多く、それもうちとの違い。月商1,600万円は想定内ですね」
予約客も流動客も逃さないフロアの使い分けが可能
『おもち』のキャパは70名強だが、3階建ての箱なら席間隔は十分とれる。加えて、2階には8名と2~4名の個室2室を完備。3階は最大30名が入るため、宴会需要も見込める。内装は、各階の壁も床も天井もグレーで統一。一見、コンクリート打ちっぱなしかとか思いきやクロスを張っただけ。低予算でモダンな空間に仕上げた。
そして目玉は1階のカウンター席(14席)。スケルトン物件なので、レイアウトの図面は濱田氏が引いた。一枚板の貫禄あるカウンターのサイズもこだわりで、奥行きは約1mに及ぶ。これは店の名物、大皿料理を置きやすくするため。さらに、客席から料理人の手元まで見られるよう、厨房との仕切りのない完全フラットな造りにした。生花などの植物も飾られて高級感が漂い、顧客満足度が上がるのは自明だ。
「1階と2、3階は別物。1階を好んで予約して来てくれるお客さまの客単価は5,000~6,000円は平気でいきます」
予約客の割合は約2割ながら、一番街シルクロードは流動客が途切れない、のんべい横丁。3名以上のフリー客が中心となり上階を埋めていき、週末は1日200~250人が押し寄せる。




