全員スキマバイトの『サブウェイ』が誕生。スポットワーカー採用の背景に深刻な人手不足
ワタミ株式会社の子会社であるWATAMI FAST CASUAL株式会社は、スキマバイトサービスを運営する株式会社タイミーと業務提携を行い、全ての従業員がスポットワーカーで営業する『サブウェイ』の運営に乗り出すと発表した。2社の取り組みとともに、実際にスキマバイトを活用する飲食店がスポットワーカーに期待することについて、弊社が過去に実施した調査結果を紹介する。
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業界初の店舗運営モデル。スポットワーカーで長期的な人材を確保
世界最大級のサンドウィッチチェーン『サブウェイ』の国内事業を担うワタミと、人手不足の低減に取り組んできたタイミーが、業務提携を発表した。2025年4月10日にオープンした新生サブウェイの旗艦店『サブウェイ ヨコハマベイサイド本店』では、店長・社員以外の全ての従業員をスポットワーカーで営業し、話題となっている。さらに4月24日からはスポットワーカーを現場リーダーとして正社員採用した全従業員スポットワーカーの『サブウェイ 新宿小田急ハルク店』も営業を開始した。
これらをモデルケースとして、今後は『サブウェイ』未経験ワーカーへの研修制度の導入や、店舗勤務を通じた『サブウェイ』経験者の育成、それぞれのスキルや経験を活かしてワーカーが活躍できる機会を創出するとしている。
この取り組みには、ブランドと継続的に関わる経験者ワーカーを増やし、ネットワークを形成することで、店舗横断による人材確保やシフト構築を実現したいという狙いがある。2社は今後、サブウェイの国内3,000店舗拡大を推進する予定だ。
スポットワーカーを活用する飲食店の約7割が満足。5割は直接雇用に期待も
こうしたスポットワーカー活用の背景には、飲食業界の慢性的な人手不足があるのは言うまでもない。昨年10月、シンクロ・フードが独自に調査したアンケート結果によると、スポットワーカーを利用したことがある飲食店のうち約7割が利用に「満足」と回答している。主な利用シーンは「シフトが埋まらなかった時間帯の運営人員を確保するため」が7割と最も高く、常勤スタッフだけでは不足する人手をスポットワーカーで補っている現状が明らかとなった。
一方で、週1回以上継続してスポットワーカーを利用している店舗の約半数が、今後の直接雇用を目的の一つとして利用している。スポットワーカーを継続利用することで自店舗の経験者ワーカーが増え、採用コストをかけずに長期人材として確保できる可能性を見込んでいるようだ。また、スポットワーカーの利用により社員採用ニーズが減少したと回答した飲食店は1割未満と少なく、多くの飲食店が長く働いてくれる人材を求めていることがうかがえる。
まだスポットワーカーを活用したことがない飲食店事業者は、長期的な人材確保も視野に入れて、ワーカーの受け入れ体制や育成環境の見直しに取り組んでみてはいかがだろうか。
