日照不足による野菜高騰は8月まで続く!? 飲食店ができる対策を紹介
この7月は梅雨が長引き、日照時間が少なかった。そのため、今夏は野菜の育ちが悪く、夏野菜の価格が高騰している。関東では梅雨明けが発表されたとはいえ、野菜の価格が落ち着くにはしばらくかかりそうだ。そこで今回は、飲食店ができる野菜高騰の対策を考えていきたい。
夏野菜や葉物野菜が高騰、なかには2倍以上の高値となる野菜も
一言に「野菜」といっても、日照不足の影響を受けるものと受けないものがある。この夏、特にその影響を受け、価格が高騰しているのは、ナスやきゅうり、ゴーヤなどの夏野菜で、例年に比べて2~3倍近い価格で販売されていることもあるようだ。また葉物野菜も日照時間の影響を受けやすい傾向がある。
野菜高騰を乗り切る方法は?
飲食店にとっては大きな痛手となる野菜の値上げ。何とか手を打ちたいと考える店主も少なくないだろう。実際に飲食店ができる具体的な対策を考えてみよう。
■規格外野菜や冷凍野菜を活用する
価格が高騰していても同じ野菜を使ってメニューを提供したい。そんな時におすすめなのが、規格外野菜だ。例えば少し傷が入ってしまったり、形がいびつだったり、サイズが大き過ぎたり小さ過ぎたりするもので、通常より安く仕入れることができる。見た目はいびつだが、味は同じなので上手に活用しよう。また、天候による価格変動リスクが少ない冷凍野菜を使用するのも手だ。
■影響を受けにくい野菜を取り入れる
日照不足の影響を受けやすいのは、土の上で育つ夏野菜や葉物野菜。一方で、にんじんや玉ねぎ、ジャガイモなど土の中で育つ野菜は価格が安定している。これらの野菜を使わない手はないだろう。例えば葉物野菜が中心だったサラダの一部をスライスオニオンに置き換えたり、彩りのために用いているトマトをニンジンに替えてみたりしてはいかがだろう。
■原価率の低いメニューを強化する
野菜高騰による原価率の上昇を抑えるために、原価率の低いドリンクメニューを強化するのもおすすめ。梅雨が明け、猛暑に突入している地域もあるため、ドリンクはいつもより売りやすい。ハイボールやサワー系などの原価率の低いドリンクをメニュー表でもアピールし、積極的に販売していこう。
■食材ロスを減らす
なにより大切なのは食材ロスを減らすこと。食材の廃棄は、無駄にしかならない。食材ロスを減らすためには、食材の棚卸を小まめに行い、仕入れた順にきちんと消費していくことが大切だ。消費期限が迫ったものは、少し割引するくらいの価格でも使いきるようにし、食材を効率よく使用するよう心がけよう。
■野菜高騰を逆手に取ることもあり
飲食店にとって痛い野菜高騰だが、これは消費者にとっても同じこと。スーパーで販売される野菜が高くなれば、家庭で野菜を食べることも消極的になってしまう。そこで野菜高騰を逆手に取り、手軽にたくさん野菜が食べられることをあえて売りにするというのも策だ。確かに一時的には店を圧迫するかもしれないが、うまくいけば新規顧客の獲得につながり、新たなお店のファンができるかもしれない。
関東は梅雨明けし、厳しい暑さを迎えたものの、野菜の高騰がすぐに解消するわけではない。また野菜高騰は今だけに限らず、今後も必ず発生してくる問題だ。ぜひ、これを機会に前向きに対策方法を考えてみてはいかがだろうか。