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大手外食チェーン、「ハンバーガー」業態への参入相次ぐ。コロナ禍でも好調な理由は?

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

デルタ株などの影響で、国内の新型コロナ感染拡大はもはや歯止めの利かない状況だ。外食チェーン店をはじめ、多くの飲食店は長期にわたり苦戦を強いられている。その中で日本マクドナルドホールディングス(以下、マクドナルド)は、2021年12月期の予想決算の上方修正を発表した。

発表の内容によれば、売上高は3,120億円(修正前2,995億円)、営業利益は340億円(同320億円)、当期純利益は210億円(同204億円)を見込んでおり、その背景には上期の堅調な業績があると見られている。

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マクドナルドの成長に関しては、モバイルオーダーサービスや、Uber Eatsといったデリバリーサービスなど、積極的なテクノロジーの導入・活用が功を奏したという見方が多い。だが、今コロナ禍の巣ごもり需要に対して、「ハンバーガー」というメニュー自体が大きく貢献していることにも注目が寄せられている。

総務省統計局が発表した、2020年の「家計調査年報(家計収支編)」によれば、二人以上の世帯における一般外食においてほぼすべての品目で支出金額が減少している一方、「ハンバーガー」だけが唯一増加していることがわかった。やはりテイクアウトしやすい、家族で手軽に食べられるといった点が、コロナ禍においても支持されているのだろう。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

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大手飲食チェーンが続々参入。既存店の強みを活かしたバーガーで差別化

こうした流れを受け、外食チェーン店によるハンバーガー専門店への参入が相次いでいる。大手居酒屋チェーンの鳥貴族ホールディングスは8月23日、東京都品川区にチキンバーガー専門店『トリキバーガー』の1号店をオープンした。

店名を冠した「トリキバーガー」をはじめ、鶏もも肉の「焼鳥バーガー」や「つくねチーズバーガー」など、焼き鳥専門店の強みを活かした国産食材のメニューを提供する。コロナ禍前からバーガー店参入を構想していたという同社の大倉忠司社長は、「居酒屋と同じくらいの店舗数に広げ、第2の事業柱に成長させたい」と意気込む。

今年5月には、ロイヤルホールディングスがバターミルクフライドチキン専門店として『ラッキーロッキーチキン』を東京都品川区にオープン。牛丼チェーンの松屋フーズも4月、東京都と神奈川県で、ライスバーガー専門店『米(my)バーガー/こめ松』をスタートさせた。松屋の主力人気商品である「牛めし」や「牛焼肉定食」、「ビビン丼」などをベースにしたバーガーを販売しており、いずれもテイクアウトやデリバリーのみでの提供となる。

また昨年11月には、『焼肉ライク』を手がけるダイニングイノベーションがテイクアウト専門店の『ブルースターバーガー』を新規開店。専用アプリでの事前オーダー・決済が可能で、店内のロッカーに置かれた商品を受け取るという完全非接触を実現している。

ワンハンドで食べられる「ハンバーガー」は、ランチをテイクアウトやデリバリーで手軽に済ませたい、テレワーカーやファミリー層のニーズに添いやすい。今後もモバイルオーダーなどの連携とともに、さらに消費者を増やしていくと見られる。

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田中恵実子

ライター: 田中恵実子

編集プロダクション在籍時にグルメやライフスタイル、住まいなどをテーマとしたさまざまな雑誌・Webマガジンにて取材&執筆をおこなう。現在はフリーランスとして、女性向けショッピングサイトなどの編集執筆を担当。世代より少し上の歌謡曲やJ-POPを愛聴。