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飲食店の6割が借入金返済に懸念。事業再構築補助金が「プラスに働いた」は1割未満

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画像素材:PIXTA

新型コロナウイルスの変異種「オミクロン株」の感染拡大が続いており、企業経営に先の見えない暗い影を落としている。そんななか、信用調査会社の東京商工リサーチが「新型コロナウイルスに関するアンケート」を実施。今回はその結果を抜粋してご紹介する。
※なお、調査は2月1日~2月9日にインターネットで実施、有効回答数は8,340社。資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義している

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コロナ禍前比で減収が63.6%。「飲食業」はワースト3位

まず、新型コロナウイルスの発生は企業活動に影響を及ぼしているかを聞いた。最多は「影響が継続している」で74.2%。前回調査(2021年12月)では66.3%だったが、10ポイント近く上昇した。一方、「影響が出たがすでに収束した」はわずか6.6%で、前回調査の13.9%から半減。また濃厚接触者の自宅待機が「業務に影響を与えている」と回答した企業も47.3%にのぼり、2社に1社が悲鳴をあげていることがわかった。

「影響が継続している」「影響が出たがすでに収束した」と回答した企業に、2022年1月の売上高はコロナ禍前の3年前(2019年)1月を「100」とするとどの程度だったかを尋ねると、「100以上」は36.3%で、63.6%が減収だった。業種別の「売上半減率」では「宿泊業」が42.8%でワースト。次いで「生活関連サービス業・娯楽業(37.2%)」、 「飲食業(35.0%)」と続いた。

コロナ前の2019年1月と比較した2022年1月の売上高において、大企業の53.4%(559社中、299社)、中小企業の64.9%(4,399社中、2,855社)が減収だった

功を奏した支援策は「ゼロ・ゼロ融資」。「事業再構築補助金」は7.3%

コロナ禍の主な支援策のうち、経営にプラスに働いたものを聞いた。「実質無利子・無担保融資(ゼロ・ゼロ融資)」が最も多く55.8%。また「雇用調整助成金」は48.8%、「持続化給付金」は45.5%だった。一方、ウィズコロナ・ポストコロナに向けた取り組みを支援する「事業再構築補助金」は7.3%にとどまっており、そのほか「Go Toキャンペーン」が9.2%、「納税・社会保険料の納付猶予」が5.9%、「新型コロナ特例リスケジュール」が2.4%だった。

最多は、「実質無利子・無担保融資(ゼロ・ゼロ融資)」の55.8%(5,475社中、3,057社)

約9割が2022年は「廃業が増える」と予想。飲食店は多くが事業再生を検討

2021年の倒産は6,030件(前年比22.4%減)、休廃業・解散(以下、廃業)は4万4,377件(前年比10.7%減)と、ともに大きく減少した。そこで2022年は2021年と比較して倒産や廃業はどうなると思うかを聞いた。最多は「倒産・廃業ともに増える」で72.9%、次点は「倒産は減り、廃業は増える」で13.8%。合計86.1%の企業が2022年は廃業の増加を感じていることがわかった。

コロナ禍の収束が長引いた場合、廃業を検討する可能性はあるかを尋ねると、「ある」が6.4%、「ない」が93.5%と、「ある」は前回調査(12月)より悪化した。「ある」と回答した企業の業種で最も構成比が高かったのは「飲食店」で39.5%。前回調査では17.6%だったが、オミクロン株の感染拡大の影響から大幅に悪化した。

構成比が最も高かったのは、「飲食店」の39.5%(48社中、19社)

また再生支援協議会や事業再生ADR、民事再生法などを活用した「事業再生」については、検討する可能性が「ある」は5.9%で、前回調査の5.0%から1ポイント近く増加。「ある」と回答した企業を業種別でみると、構成比が最も高かったのは「飲食業」で25.4%だった。

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借入金返済の見通し、13.9%が「現在懸念あり」と回答

最後に、借入金のある企業から返済の見通しについて聞いた。「コロナ禍直前は返済に問題なかったが、現在は懸念がある」と、「コロナ禍直前から返済に懸念があり現在も懸念がある」を合計した「現在懸念あり」は、13.9%だった。 「現在懸念あり」と回答した企業の業種で最も構成比が高かったのは「宿泊業」で65.8%。次いで「飲食店(60.3%)」、「道路旅客運送業(50.0%)」と続いた。

中小企業の2割が「懸念あり」と回答

今回の調査結果から東京商工リサーチでは、「ゼロ・ゼロ融資の返済が始まるなか、事業再構築の遅れは、将来の返済原資の確保を難しくさせかねない。事業再構築の必要性を浸透させるだけでなく、支援策の枠組みの見直しも急務になっている」と結論づけた。

「借入金の返済に懸念がある」と回答した企業が多く、またコロナ禍の収束が長引いた場合に廃業検討の可能性があると回答した企業が昨年より増加していることからも、支援策の見直しや強化、早急な実施が今後の事業維持の肝になりそうだ。

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上條真由美

About 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。