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三つ星シェフ『カンテサンス』岸田周三さんが学んだこと、目指していること

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フランス料理業界への「恩返し」

三つ星を15年維持し続けている岸田さんが、いま、料理人を続けることのモチベーションは何だろうか。

「お客様が喜んでくれることはもちろんですが、飲食業が夢を見られる仕事になること、若い人たちに“飲食業って面白そうだな、やってみたいな”と思ってもらえる、そんな世界にしていきたいと本気で思っています。

ドラマ『グランメゾン東京』(2019年)の監修の話を引き受けたのは、まさに飲食業界全体のためにやったことでした。非常に厳しい時間制限のある中で、『カンテサンス』での通常の仕事にプラスアルファで色々なことをしなければならないのは大変でしたが、これはここまで成長させてくれた飲食業界への恩返しであり、やらなくてはならないという使命感があったからこそ引き受けたことです。

『カンテサンス』ダイニング

僕は料理人の社会的地位を変えたい。そのためには、この業界にも“この人みたいになりたい”というロールモデルが必要です。必要な要素がたくさんあって、僕が現役でいる間に実現できるかわかりませんが、料理人として、チームのリーダーとして、経営者として、実績を積んでいけば僕もそうなれると信じています。明日もチームのみんなと頑張りたいと思います」

「料理人の社会的地位を変えたい」――。岸田さんの視点は料理業界全体に向いている。日々働くその姿が、この業界全体を牽引するものになるに違いない。

『Quintessence(レストラン カンテサンス)』
所在地/東京都品川区北品川6-7-29 ガーデンシティ品川御殿山1F
電話番号/03-6277-0090 (予約専用)
席数/32
https://www.quintessence.jp/

岸田周三(きしだ・しゅうぞう)
1974年、愛知生まれ。三重の志摩観光ホテル「ラ・メール」や東京「カーエム」を経て渡仏。パリ16区「アストランス」でシェフのパスカル・バルボ氏に師事、帰国後2006年に「カンテサンス」開業。2007年、「ミシュランガイド東京」初年度2008版において33歳で3つ星を獲得、その後現在まで3つ星を維持する。2013年に現在の北品川へ移転。2020年「ゴ・エ・ミヨ日本版」で「今年のシェフ賞」受賞。

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うずら

ライター: うずら

レストランジャーナリスト。出版社勤務のかたわらアジアやヨーロッパなど海外のレストランを訪問。ブログ「モダスパ+plus」ではそのときの報告や「ミシュラン」「ゴ・エ・ミヨ」などの解説記事を執筆。Instagram(@photo_cuisinier)では、シェフなど飲食に携わる人のポートレートを撮影している。