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「卵価格の高騰」に飲食店はどう対応している? 東銀座『YOU』ほか人気3店の“生の声”

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『YOU』定番のオムライス。ドリンクとセットで1,300円(税込、以下同)

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卵の価格高騰が止まらない。主な要因は、飼料価格の高騰と、鳥インフルエンザの影響により卵を産むニワトリの殺処分が増えている点だ。JA全農たまご株式会社が発表している2023年4月の卵相場(東京:Mサイズ)の基準値は1kgあたり350円。去年の同じ月と比べて139円の上昇、率にして65.9%の値上がりである。卵は多くの飲食店にとって欠かせない食材のひとつ。卵料理で人気の3店はどのようにこの事態に対応しているのだろうか。話を聞いた。

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これまでも、これからも人を魅了する『YOU』の「オムライス」

東京都中央区、歌舞伎座にほど近い喫茶店『YOU』。「オムライス」「ナポリタン」「野菜カレー」「オムレツ」といった軽食メニューのほか、「オムレツサンド」「たまごサンド」「ミックスサンド」などのサンドイッチがメニューに並ぶ。

銀座で「オムライス」というと1970年創業の同店を思い浮かべる人も多く、サンドイッチも卵を使ったメニューが複数あるため、卵の消費量は膨大。その数は1日で750〜1000個にまで及ぶという。店長の鈴木桃子氏によると、今のところ業者からの卵の供給は「これまでと変わらない」そうだ。人気メニューを提供し続けるため、卵の価格が高騰しても「使わざるを得ません」と続ける。品質を落とさず料金を維持するため、節電など細かな努力も重ねているという。

「しばらく値上げは行ってきませんでしたが、卵に加えてオムライスの材料に欠かせない生クリームなど、食材全般の価格が高騰しており、その影響を大きく受けています。5月ぐらいには値上げを検討せざるを得ないかもしれません」(鈴木氏)

テイクアウトの「オムレツサンド」(800円)は、具材がぎっしり

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店を支えるのは、鈴木氏が「連日大勢のお客様に来ていただいています」と話す通り「絶えない客足」だろう。1F・2F合わせて48席の店内は、ランチタイムからラストオーダー近くになっても盛況が続く。店頭に入店待ちの客が連なっているのが日常的な光景だ。創業から50年以上にわたって多くの人を魅了してきた人気メニューがいつまでも続くよう、卵の価格高騰が早く終息することを願うばかりだ。

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タシロアキラ

ライター: タシロアキラ

大学の教育・研究の記事を中心に20年ほど紙媒体のライターとしてキャリアを重ねる。フリー転身を機に、趣味である食、スポーツ、ガジェットのジャンルでWEB記事執筆にも進出中!