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飲食店が知っておくべき「加工肉のあれこれ」。保存方法のほか発がん性など健康リスクを解説

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飲食店がよく使用する食材の一つである「加工肉」。加工肉とは、ハム、ソーセージ、ベーコンなどの総称。料理に使いやすく人気の食材だが、健康リスクがあるとも言われている。本記事では、加工肉の種類ごとの製法や原料について紹介したうえで、知っておきたい正しい保存法や、健康リスクの真偽について解説する。

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ハム・ソーセージ・ベーコンなど、代表的な加工肉の種類を解説

加工肉は何を原料として、どのように作られているのだろうか。代表的な加工肉である「ハム」「ソーセージ」「ベーコン」を例に見ていこう。

■ハム

ロースハム。画像素材:PIXTA

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ハムには次のような種類がある。

・骨付きハム:豚のもも肉を骨付きのまま整形・加工したもの。塩せき(原料を食塩、香辛料、発色剤、砂糖などを混ぜたものに一定期間漬け込むこと)した後加熱した製品と、低温で長時間乾燥・熟成させた製品がある。

・ボンレスハム:豚の骨付きのもも肉から骨を抜いて塩せきした後、ケーシング(表皮)に詰め、くん煙し(またはくん煙せず)加熱したもの。

・ロースハム:豚のロース肉を整形し塩せきした後、ケーシングに詰め、くん煙し(またはくん煙せず)加熱したもの。ハム類では最も一般的。

・ショルダーハム:豚の肩肉を整形し塩せきした後、ケーシングに詰め、くん煙し(またはくん煙せず)加熱したもの。赤身が多いのが特徴。

■ソーセージ

ソーセージ。画像素材:PIXTA

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ソーセージには次のような種類がある。

・ウインナーソーセージ:豚などの肉を塩せきした後、ひき肉にし、香辛料や食品添加物を加えて混ぜ合わせ、羊の腸または太さが20mm未満の人工ケーシングに詰め、くん煙し(またはくん煙せず)、加熱したもの。日本で最も多く製造されているのはこのタイプのソーセージである。

・フランクフルトソーセージ:材料や製法はウインナーソーセージと同じだが、豚の腸または太さが20mm以上30mm未満の人工ケーシングに詰めた製品。

■ベーコン

ベーコン。画像素材:PIXTA

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ベーコンには次のような種類がある。

・ベーコン:骨を抜いた豚のわき腹肉を整形し、塩せきした後、くん煙したもの。日本で製造しているベーコンの多くはこのタイプ。

・ロースベーコン:豚のロース肉を整形し、塩せきした後、くん煙したもの。

・ショルダーベーコン:豚の肩肉を整形し、塩せきした後、くん煙したもの。

参考:全国食肉事業協同組合連合会「食肉加工品の知識」

加工肉の保存方法

加工肉はもともと保存食として作られたという背景もあり、生肉よりも長く保存できる。未開封で冷蔵保存した場合、賞味期限は製造日から3週間程度。一般的な加工肉には食品添加物が使用されているため、保存性が高く、品質も安定しやすくなっている。ただし、これらの添加物が使われていないものは、賞味期限が短い可能性があるため注意したい。

冷蔵の場合
加工肉をラップでしっかりと包み、できるだけ空気に触れないように保存する。一度開封すると保存性が著しく低下するので、賞味期限にかかわらずなるべく早めに使いきると良いだろう。

冷凍の場合
加工肉を冷凍保存する際は、生肉と同様、空気に触れないように袋に入れて脱気包装を行う。ラップなどで包装してから冷凍するのも良い。解凍の際は冷蔵庫でゆっくりと解凍すると、美味しさや鮮度を保つことができる。

加工肉のような調理済みの肉製品は、加熱により酵素の働きが失われているほか、味付けにより酵素反応が抑えられている状態。冷凍しても、その後解凍しても品質を損ないにくく、味や品質にあまり影響はない。

知っておくべき加工肉の添加物

加工肉には、塩などの調味料に原料肉を漬け込む塩せきの過程で、発色剤や保存料、酸化防止剤などの食品添加物が使われている。こうした食品添加物のうち、亜硝酸ナトリウムなどの発色剤に発がん性があると考えられていたこともあり、発色剤を使用しない「無塩せき」の加工肉を好んで食べる人もいる。

「無塩せき」というと「添加物を一切使用しない」という意味で捉えられることが多いが、調味料やその他の食品添加物は使われている点には注意したい。

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小晴

ライター: 小晴

美容系雑誌編集者・ライターを経てフリーライターに。品川区のローカルニュースサイト「品川経済新聞」記者として、多くの飲食店取材に携わる。趣味は食べ歩き・飲み歩きと銭湯。