飲食店が知っておくべき「加工肉のあれこれ」。保存方法のほか発がん性など健康リスクを解説
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加工肉に大腸がんなどの健康リスクはある?
「加工肉を食べるとがんになるのでは?」と心配する客もいるため、飲食店で働くうえでは、加工肉の健康リスクについては知っておきたいところだ。
結論から言えば、加工肉の摂取には発がん性などの健康リスクがあることは否定できない。添加物に発がん性がある可能性があるほか、保存性を高めるために塩分が多く、脂質も多く含まれるため、食べ過ぎれば生活習慣のリスクを上昇させる。
2015年の国際がん研究組織(IARC)の調査では、加工肉は「人に対して発がん性がある」と判定された。ちなみに、牛・豚・羊などを指す「赤肉」についても「おそらく人に対して発がん性がある」と判定されている。
また、2007年の世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究協会(AICR)による評価報告書では、赤肉、加工肉の摂取は大腸がんのリスクを上げることが「確実」と判定されており、赤肉は調理後の重量で週500g以内に、加工肉はできるだけ控えるようにと勧告されている。
しかし、IARCの評価のもととなった論文による全世界地域の赤肉摂取の範囲は、1日50g~100gで、中には200g以上となっており、日本人の平均的な赤肉・加工肉の摂取量である63g(赤肉50g、加工肉13g)を大きく上回っている。日本は世界的に見ても、赤肉や加工肉の摂取量が少ない。
また、国立がん研究センターが国内の男女を対象に研究を行ったところ、大腸がんの発生に関して「日本人の平均的な摂取の範囲であれば、赤肉や加工肉がリスクを与える影響はない」「あっても小さい」という結果が明らかになった。常識的な範囲内の摂取量であれば、健康リスクについて心配する必要はないだろう。
参考:「赤肉・加工肉のがんリスクについて」国立がん研究センター
さまざまな前菜に利用できるほか、強いうまみで料理の味わいを深められるため、飲食店には欠かせない食材の一つである加工肉。保存方法や健康リスクといった正しい知識を備えたうえで、加工肉を上手に使いこなしたい。
