赤羽『立ち飲みいこい』、低単価の“せんべろ店”でも月商1,000万円を叩き出せる理由とは
東京・赤羽の『立ち飲みいこい』は1970年にオープンした立ち飲み店。ドリンクは200円台、フードも100円台から提供、魚は豊洲市場で直接買い付け、「安くて旨い」を追求し続けている。そんな日々のたゆまぬ努力の甲斐もあり、店は平日の昼間から多くのお客で大賑わい。月商は1,000万円を売り上げる。
そんな繁盛店の運営を行う株式会社立ち飲みいこいの親会社、株式会社アサヌマの代表取締役・廣瀬嘉隆氏に、50年以上に渡って呑兵衛たちに愛されてきた人気の秘訣を聞いていく。
元々は酒屋の一角にある角打ちだった
『立ち飲みいこい』は、廣瀬氏の祖父(アサヌマの創業者)が始めた店だ。アサヌマの主な事業は酒類の卸売り。当時、酒屋が飲み屋を経営するのは酒類を卸しているほかの店のライバルになるのであまり歓迎はされない時代だったが、顧客からの後押しもあり、ニーズに応える形で開業したという。
「本社機能を移転した際、酒屋兼角打ちにしていたビルの一階をリニューアルして始めたのが『立ち飲みいこい』です。祖父曰く、角打ち時代にはピーナッツやちょっとした乾き物しかおつまみがなかったので、ちゃんと旨いものを出しつつ価格は安く抑えたいという思いで、立ち飲みスタイルにしたそうです」(広瀬氏、以下同じ)
2011年には『立ち飲みいこい 支店』がオープン。現在は二店舗体制で営業している。
「本店が入っているビルを建て直していた時、仮店舗として使っていたのが今の支店です。駅から少し離れた場所にありますし、本店が営業再開するまでの繋ぎとして考えていたらありがたいことに繁盛したので、そのまま支店として続けています」
客単価1,300円以下にも関わらず、月商は約1,000万円!
立ち飲みという業態は一人客が多いこともあり、滞在時間は短く、客単価も安くなりがち。そのため、客数が重要だと廣瀬氏は話す。
「一杯二杯飲んでちょっとつまんで、というお客様がほとんどなので、新規・リピーターを問わず、とにかく多くの人に利用してもらわないといけません。毎日利用してくれるお客様を多く持つのが究極の理想ですが、そこまではいかないにしても習慣的にお店に来て欲しいという思いで営業しています」
そんな『立ち飲みいこい』だが、売上の数字は堂々たるものだ。
「一日の客数は『本店』、『支店』どちらも大体300~400人くらいです。お客様ごとの細かい伝票をつけていないので詳しくはわかりませんが、平均客単価は1,300円いかないくらいだと思います。月商は『本店』、『支店』どちらも約1,000万円。坪月商は『本店』が15坪なので65万円くらい、『支店』が22坪なので45万円くらいです」
