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日本酒×イタリアンで坪月商40万円。門前仲町『酒とビストロ KARASU』の戦略

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「シチリアでたべたポテトサラダ」700円。さわやかな酸味が、日本酒の酸と同調する(写真提供:株式会社マルサラ)

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誰もが知っている料理を少しだけアレンジし客単価7000円、月商360~370万円を実現

『酒とビストロ KARASU』は、醤油や味噌といった日本の調味料を使わない西洋料理と、日本酒のペアリングをコンセプトにスタートした。しかし開業後、どんどんメニューが進化し、現在はイタリアの伝統料理を中心としたラインナップとなっている。メニュー開発や調理は赤井氏が担っているが、独立前の調理経験は素人に等しく、自ら市場に通って食材を知り、実際に購入して調理して……の、トライアンドエラーを繰り返して現在に至っているという。

『酒とビストロ KARASU』のメニュー表。単価のボリュームゾーンは500円台だったのが、現在は4桁のメニューも多い

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メニューは、アラカルト約40品とコース3種類で、アラカルトは約半数が定番料理。看板料理のポテトサラダは、赤井氏がシチリアで食べた料理をもとに考案したもので、タコを加えてレモン汁、オリーブオイル、塩などで調味。ペアリングは、酸のある日本酒にバチッとハマる。

もう一つ定番の「カルパッチョの盛り合わせ」は、メニュー名こそシンプルだが、4種類の魚介それぞれに2~3種類の味付けを施しており、素材の組み合わせがユニーク。例えばキンメダイは軽く炙って、自家製の梅干しと胡椒の塩漬けを、水ダコは柚子胡椒のソースとシャインマスカットを合わせるといった具合だ。

「来たら必ず食べてほしい」というパスタは、手打ちのタリアテッレで作る定番のボロネーゼを含め常時5種類用意している。「誰もが知っている食材の組み合わせを、ちょっとずらして新しい料理を考えるのが少しだけ得意」と赤井氏。

なじみのある料理にほんの少し目新しさを加えたメニューの数々と日本酒のペアリングの面白さが評判となり、客単価や売上も徐々に向上した。開業時は客単価4,000円、月商200万円ほどだったのが、現在は客単価7,000円、月商は360~370万円を実現している。

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笹木理恵

ライター: 笹木理恵

飲食業界専門誌の編集を経て独立。スイーツ・パンからフレンチ、ラーメンなどまで、食のあらゆるジャンルを担当。飲食専門誌を中心に、一般雑誌やWEB、書籍などで活動している。「All About」「Yahoo!ニュース個人」でも執筆中。 https://foodwriter-rie.com/