飲食店ドットコムのサービス

『しゃぶ葉』食べ残し減らす取り組みをスタート。飲食店が食品ロス削減のためにできること

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

画像を見る

農林水産省の調査によると、2021年度の食品ロス量は523万トン。家庭系食品ロスは244万トンで、前年度と比較すると約3万トン減少しているのに対し、事業系食品ロスは279万トンで約4万トン増加しており、全体量が増えた要因は事業者の食品ロスによるものだとわかる。

事業系食品ロスの内訳を見てみると、外食産業が80万トンと約3割を占めている。飲食店の食品ロス対策の強化は急務といえるが、具体的に何をすべきなのだろうか。ここでは、一例として『しゃぶ葉』がスタートした食べ残しを減らす取り組みを紹介し、飲食店が食品ロス削減のためにできることについて解説する。

【注目記事】堀江貴文氏「飲食店の究極の形はスナック」。外食産業発展のヒントを「FOODIT TOKYO」で語る

店側にも消費者側にもメリットがある、しゃぶ葉の「こまめどりプロジェクト」

しゃぶしゃぶ食べ放題・バイキングの専門店『しゃぶ葉』は、2024年4月より食品ロス削減を目指した「こまめどりプロジェクト」をスタートした。ついお皿に盛りすぎてしまう食べ放題において、食べきれる量をこまめに取ることで食べ残しをなくす取り組みだ。

お客が食事を終えた際にきれいに食べたテーブル上の写真を撮影し、会計時にスタッフに提示すると、もれなく次回使えるドリンクバー100円券を受け取れるサービスも。店側が食品ロスを削減できるだけでなく、消費者側もメリットを感じられる仕掛けとなっている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

画像を見る

飲食店がすぐに実践できる食品ロス削減のための取り組みは?

飲食店での食品ロスの主な要因は、お客による「食べ残し」と言われている。ここからは、食べ残しを減らすための具体的な対策を紹介しよう。

◼︎料理提供のタイミングを工夫する
一度にたくさんの料理を提供せず、できたてを提供する、テーブル上の料理が少なくなったら提供するなど、おいしい状態で食べてもらえるよう意識する。

◼︎料理の量を視覚化する
店頭に食品サンプルを展示したり、メニューに写真を掲示したりすることで、想像していた量と実際に提供される量とのミスマッチを防ぐ。

◼︎料理の量やサイズを選択制にする
量(小盛り、普通、大盛り)やサイズ(Sサイズ、Mサイズ、Lサイズ)を複数用意することで、適正量を選べるようにする。

また、食べ残しが発生した場合の対策として、農林水産省や環境省は、食べきれなかった料理を持ち帰る容器「ドギーバッグ」の導入を推奨している。ただし、持ち帰り希望者には食中毒などのリスクや取扱方法、衛生上の注意事項を十分に説明したうえで、自己責任で行なってもらう必要がある。

政府はSDGsの具体的な目標として、食品ロスを2030年度までに2000年度比の半分まで減らすことを掲げている。簡単なことではないからこそ、一人ひとりが意識して行動に移すことが大切だ。まだ食品ロス対策ができていない飲食店も、できることから始めてみよう。

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。