飲食店で外国人労働者の採用が増加中。一方でコミュニケーションに課題を感じる店舗も
飲食業界の人手不足が続いている昨今、外国人労働者を採用する飲食店も増加している。しかし、外国人労働者が増えることによって生まれる新たな課題も。そこで、ClipLine 株式会社は「飲食業界における外国人労働者との関わりに関する実態調査」を実施。今回は、調査結果と今後考えられる対応策について紹介する。
■調査概要
調査対象:飲食業で働く外国人労働者との勤務経験のある、全国の15歳以上の男女400名
調査期間:2024年10月9日~2024年10月10日
調査方法:インターネット調査
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7割以上が外国人労働者とのコミュニケーションで困った経験あり
今回の「飲食業界における外国人労働者との関わりに関する実態調査」は、外国人労働者との勤務経験のある、飲食業で働く全国の15歳以上の男女を対象に行った。
まず、「一緒に働いている(働いていた)外国人労働者とのコミュニケーションで、困った経験はありますか?」という質問に対しては、「常にある」「頻繁にある」「時々ある」と困った経験のある人は70.3%となった。「ほとんどない」が20.5%、「まったくない」が9.3%となっている。
具体的に困ったことについては、「言語」が57.3%、「文化の違い」が52.9%と半数以上に上った。ほかには、「時間や感覚のずれ」が33.6%、「ジェスチャーなど非言語コミュニケーションの違い」が20.7%、「ビジネスマナー」が17.9%、「専門用語・業界用語」が14.6%と続く。
なお、「母国語の違いが業務に与える影響はどの程度ですか?」との質問には、「常に影響がある」が10.8%、「頻繁に影響がある」が23.8%、「時々影響がある」が38.5%と、業務に影響があると考えている人は73.1%となった。
外国人労働者に対するサポートは不十分
このような状況を踏まえて、外国人労働者と働く人たちはどのようなサポートが必要だと感じているのだろうか。「外国人労働者が職場に順応するために、どのようなサポートが必要だと感じますか?」という質問に対しては、56.3%が「言語サポート」と回答。「業務マニュアルの充実」が41.5%、「研修やトレーニングの充実」が41.0%、「文化的なサポート」が39.3%と続いた。
では、実際に外国人労働者向けの研修やマニュアル、サポートが十分に提供されているかというと、「全くそう思わない」が16.5%、「あまりそう思わない」が36.5%と、半数以上が十分に提供されていないと感じているようだ。また、「十分に提供されているか分からない」という回答も11.3%あり、サポート体制が従業員に浸透していない現状も浮き彫りになった。
今回の調査結果から、外国人労働者との勤務において課題感を抱える人は多くいるものの、現状はサポートが足りていないということがわかった。人手不足はまだ続くと考えられるため、外国人労働者の採用も増えていくはずだ。店舗運営をスムーズにし、よりよい職場環境を作っていくには、外国人労働者への言語サポートを手厚くし、マニュアルの整備や研修等の充実にも取り組む必要があるだろう。
