『世田谷バル』から16年。新店『道玄坂バンバン』も絶好調の高城直弥氏に学ぶ成長戦略
2007年、世田谷の住宅街に4坪の立ち飲みバル『世田谷バル』を開業し、現在は『リゾットカレースタンダード』、『かしわビストロバンバン』など4店舗を展開する株式会社サムライフードサービス。いずれも連日満席の超人気店に育て上げ、今年9月には『道玄坂バンバン』を出店した代表取締役の高城直弥氏に、最新の取り組みを取材した。
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「大人のバンバン」をコンセプトに、和の要素を取り入れた新業態を出店
高城氏が4店舗目の出店を考えはじめたのは、アフターコロナの2023年。
「ようやく動き出せるタイミングが来て、渋谷に絞って物件を探していたところ現物件が出たのが昨年の夏。2階ですが通りに面しているので、視認性は良いと感じました」(高城氏)
高城氏が開業を考える少し前、コロナ禍の終盤頃に有名なインフルエンサーの投稿をきっかけに『かしわビストロバンバン』が大バズリ。SNSを見た若い客層が押し寄せるようになり、その流れで姉妹店の『リゾットカレースタンダード』、さらには福岡の『かしわビストロバンバン 今泉店』も客数が急増している状態だった。
「神泉のバンバンの客層が若くなったので、大人のバンバンをやりたいな、と。ビストロやバルの枠にとらわれず、和のテイストを取り入れた洋食をメインに、ドリンクもワインや和酒など幅広く揃え、客単価5,000円〜7,000円の大人の酒場としてつくったのが『道玄坂バンバン』です」(高城氏)
『道玄坂バンバン』では背が低めのテーブルを配し、営業中は照明を落としてゆったりと過ごせる空間をつくり上げた。
メニューは系列店同様、ジャンルミックスの創作料理を軸とし、茶碗蒸し、鴨のロースト、魚介のリゾットの3品を看板メニューとして用意。「バンバン特製唐揚げ」や「リゾットカレー」などおなじみの人気メニューも揃えるほか、「ウニとオマール海老のWソースポテサラ」などSNS映えを意識した酒場メニューもラインナップする。
「料理は、価格とボリューム、味での総合的な満足感を重視しているので、ある程度既製品も活用してしっかりパフォーマンスを出しつつ、きちんと利益も確保する、というのがうちのやり方。『道玄坂バンバン』では初めて器を有田焼など和皿で統一し、より付加価値を高めています」(高城氏)
メニュー変更は2か月で20回。軌道に乗るまで頻繁に見直す
一方、ドリンクはビール、ハイボールやサワー、ワイン、梅酒や日本酒など幅広く揃えているが、料理もドリンクも、「どの店舗も、オープンしてから安定するまでは修正しまくる」のが高城氏の方針。『道玄坂バンバン』のメニューも、2か月で20回ほど修正を加えているという。
「例えば、グラスワイン。当初は700円台を中心に上は1,280円まで用意していたのですが、品質よりも価格を重視する人もいると感じ、今は一番安いワインを600円台に設定し、高い価格帯はなくして白赤各4種類ずつに絞っています。料理も同様で、鴨のローストは当初2,000円台に設定していましたが、ボリュームが多いという声もあったので量を減らして価格も下げました」(高城氏)
