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繁盛店のメニュー戦略。『かしわビストロ バンバン』高城代表に聞く集客力を上げるメニュー構成

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株式会社サムライフードカンパニーの代表・高城直弥さん

フランスやイタリアなどヨーロッパの街角にあるような洒落た店構えで、気軽に立ち寄り食事が楽しめるバルやビストロ。女子会やデート、仲間同士のにぎやかな飲み会など多彩なシーンに利用できるとあって、ここ10年足らずでバル・ビストロ形態の店は爆発的に増えた。一方、他店との差別化がうまくいかず悩むオーナーも少なくはない。ライバルから一歩抜け出し、“選ばれる店”になるためには何が必要なのだろう。『かしわビストロ バンバン』や『リゾットカレースタンダード』を経営する株式会社サムライフードカンパニーの代表・高城直弥さんに、繁盛店であり続ける秘訣を聞いた。

メニュー表から店の物語へ引き込む

京王井の頭線神泉駅すぐにある『かしわビストロ バンバン』。高城さんの故郷・滋賀県高島市のソウルフード「とんちゃん焼き」をアレンジした、地鶏のかしわ焼きを看板メニューに掲げる。渋谷のメインエリアとは少し離れるが、夜ともなればその味を求めて近隣の会社員やご近所さんらでにぎわいを見せる。

そんな同店の人気の理由が、メニュー表に隠れている。よく見ると1 枚にまとめられたグランドメニューの価格は、すべて3桁のものばかり。さらに一番先に目に入る左上には、「まるごと一本きゅうりのピクルス」(380円)や「バンバンオリジナルポテトサラダ」(480円)など300~400円台の特に価格が安いものを配置する。「パッと見た時に、安いなと思ってもらえるようにこうしています。実際はものすごく安いわけじゃなく、客単価は4,500円ほど。でも最初に高いって思われたらメニューも見てもらえないでしょう」。代わりに近江牛のハンバーグステーキ1,580円など、1,000~2,000円ほどする少し高めの料理は、「おすすめメニュー」として手書きのメニューを用意。その特別感からつい1品オーダーする人が少なくない。

名物「地鶏のかしわ焼き」780円

さらにドリンクメニューは、冒頭に載せがちなビールではなく、ハイボール、レモンチューハイを大きく紹介。これらのドリンクメニューは、かしわ焼きとの相性がいいだけでなく、原価率も9~10%と低く利益に直結する。「ほかにも、頼んでほしいものに星印を付けて誘導します。これは原価率を抑える目的ももちろんあるけど、一番は満足度。初めて店に来た人がこれを食べれば絶対に満足するという自信があるものを目立つようにしています」

ハイボールで乾杯し、小皿料理と看板メニューのかしわ焼き、さらにちょっと高めのメイン料理を一品プラスして、ミシュランガイドに掲載された姉妹店『リゾットカレースタンダード』のリゾットカレーで〆る。特にかしわ焼きやリゾットカレーは、ここだけのプレミアム感もばっちりだ。「インパクトをしっかり残して、また来たいなって思ってもらいたい」。そう話す高城さんの頭の中では、『かしわビストロ バンバン』で楽しむための起承転結を押さえたストーリーがしっかりと出来上がっている。メニュー表には、この起承転結が巧みに表現されており、客は自然とそのストーリーに沿ってオーダーをする。そうすることで初来店の人にも同店の魅力を最大限に伝えることができ、それが高いリピート率にもつながっているのだ。

インスタグラムはアイデアの宝庫

同店の料理は味もさることながら見た目のインパクトや臨場感も大切にしている。皿が見えないくらいに敷き詰められたカルパッチョや、クレソンがたっぷりと盛られジュージューと音を立てるかしわ焼きを、スマホで撮影する人も多い。

「カウンター席なら料理を飾り立てる必要はない。目の前で作ってくれた人が間を置かずぽんっと出来立ての料理を出してくれる、それだけで臨場感があるでしょう。でもテーブル席だとそうはいかない。だからお客さんから『おぉっ!』と声が上がるような派手さが大事なんです」

高城さんが盛り付けのアイデアソースとして使っているのがインスタグラム。ハッシュタグに店の名前を付けて、宣伝ツールとして使う店舗も多いが、高城さんの場合は料理名やジャンル、人気店のハッシュタグで小まめに検索を行うという。

「やっぱり印象に残る料理をみんな撮影するでしょ。だからどんな料理だったらアップしたくなるのかなって。検索するとずらっと写真が出てきて流行している料理やトレンド、今の流れが分かる。感度がいいなとか、盛り付けが上手だなって思ったら、すぐにオマージュします。そのままじゃなく、ひとひねり、ふたひねり加えて、それがうちの良さかな」

また同じSNSでもFacebookは同店の宣伝的役割を担う。紙媒体より安価に広告出稿ができ、さらに記事を見た人たちがシェアすることで二次・三次的な拡散も得られる。非常に費用対効果がいいのだ。記事の最後には必ずグルメサイトのURLを掲載し、予約までの道をシンプルにすることも忘れない。

渋谷の繁華街から距離はあるものの常ににぎわう店内

「僕はその人の生活の一部になるような、つまり“文化になる仕事”をしたいって思っているんです」。そう話す高城さんは、固定概念に捕らわれことなくトレンドをキャッチし、素早く取り入れることで店を進化させてきた。この柔軟さこそが、バル・ビストロが急増しても“選ばれる店”であり続ける理由なのかもしれない。

そして、その活躍の場は東京だけにとどまらない。今後は福岡にも同店の二号店が進出予定。「福岡の店の場所も、決してメイン通りではないんです。でも駅に向かう人や家路に着く人でちょっとした人通りがあって大人の艶がある。神泉に似ていて雰囲気がとてもいいんですよ」。

店構えは決して派手なわけではないけれど、店の明かりやにぎわいに誘われてふらっと立ち寄ってしまう。会社帰りやデート、親しい友人との急な飲み会で、「バンバンに行こう!」の合言葉で人々が集う店。そうして街に根付き“文化”として日常に溶け込んでいく。『かしわビストロ バンバン』の快進撃はまだまだ続きそうだ。

『かしわビストロ バンバン』
住所/東京都渋谷区神泉町2-8小島ハイツ1F
電話番号/03-6416-4645
営業時間/18:00~L.O.23:00(金曜~L.O.24:00、土曜17:00~L.O.23:00、日曜・祝日17:00~L.O.22:30)
定休日/不定
席数/42
http://www.kashiwabanban.com/

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戸田千文

About 戸田千文

広島・東京を中心に活動するフリーランスの編集・ライター。これまでにグルメ冊子や観光ガイドブック、町おこし情報誌などの編集・執筆を担当。地方の魅力を首都圏に発信する仕事をするのが夢。おいしい地酒を求め、常にアンテナを張り巡らせ中。