月商900万円超を売る新宿御苑前『べっぴんしゃん』と中目黒『ちかっぱ堂』。小皿料理が今熱い!
料理の提供時に商品バリューをアピール
『べっぴんしゃん』のお客1人当たりの注文数は平均6品。少量多品種のニーズに応える商品設計のため、注文数が増えやすいことも小皿料理の特徴であり、「お客さまとの接点が増えることも商品バリューをアピールするチャンス」だと山本社長は説明する。
前述した「黒毛和牛とネギすき焼き」はすき焼きにぴったり合うひと口ごはん、「天然平政胡麻和え」は天然の平政と自家製の胡麻ダレ、「花畑牧場焼きカチュカパロ」には有明産の一番摘みした海苔と、1品1品に売りになるポイントを盛りこんでいる。
また、小皿料理の「人気ベスト4」にランクインする「博多のひと口炊き餃子」(528円)に添えるのは、宮崎県の生産者から直送する柚子胡椒。「明太子だし巻き生海苔クリーム」(638円)には福岡の柳橋連合市場の仲卸業者「右近商店」の明太子を使用している。
「商品の期待値を上げるには料理を提供する際におすすめのポイントをしっかりと伝えることが大事。注文数が増えれば調理の手間も増しますから、オペレーションの難易度が上がりますが、だからこそ簡単には真似されないということも小皿料理の強みといえるかもしれませんね」(山本氏)
小皿料理を主軸とした業態モデルで計6店の出店を計画
これら商品価値を高める工夫によって商品の粗利益率を上げていることも特筆される。単品原価率は「花畑牧場焼きカチュカパロ」が23%、「明太子だし巻き生海苔クリーム」が21%。メインディッシュである「佐賀なかむら牛」鉄板焼きのカテゴリー原価率は45%を超えるが、小皿料理によって原価抑制を図ることでトータル原価率は29%に着地し、営業利益率が25%を超える高収益モデルを構築している。
収益面がさらにブラッシュアップされているのが新店の『ちかっぱ堂』だ。同社が運営している『博多おでんと自然薯 よかよか堂』と『べっぴんしゃん』の小皿料理をドッキングした新業態であり、トータル原価率は23%、償却前営業利益率は実に30%を超える。
原価率の低減につながっているのは、メインメニューを佐賀なかむら牛の鉄板焼きから博多おでんに入れ替えたこと。「『ちかっぱ堂』が絶好調ですから、『よかよか堂』の一品料理も小皿料理に切り替えることを検討しています」と山本氏は明かす。
また、人員が整い次第、『べっぴんしゃん』『ちかっぱ堂』は無休営業をスタートする予定だという。「『べっぴんしゃん』は月商1,200万円、『ちかっぱ堂』は月商1,400万円を狙える」と山本氏は意気込み、さらに「2025年中に鉄板料理と小皿料理を二本柱にした『べっぴんしゃん』モデルの新店をオープンしたい」と続けた。
同社の創業店は赤坂に店を構える『山本のハンバーグ/俺のワイン酒場』で、主力業態の『天ぷら串 山本家』は東京都内に3店を布陣。新宿御苑前と中目黒、さらに新エリアで『べっぴんしゃん』モデルと『ちかっぱ堂』モデルのセット出店を進めることで10店体制を構築することが目下の事業目標だ。さらに、その先には海外出店も見据えていると山本氏は語ってくれた。
『博多小皿鉄板 べっぴんしゃん』
住所/東京都新宿区新宿1-31-16 ヤノビル1F
電話番号/03-6457-7887
営業時間/11:30~14:30、17:00~23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)※土曜・日曜・祝日・祝前日の営業は11:30~23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日/月曜・火曜
席数/42
https://www.instagram.com/hakatakozarabeppin/
『博多小皿おでんと自然薯 ちかっぱ堂』
住所/東京都目黒区青葉台1-27-10 アーベイン青葉台 1F
電話番号/03-6451-0114
営業時間/11:30~14:30、17:00~23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)※土曜・日曜・祝日・祝前日の営業は15:00~23:00(フードL.O.22:00、ドリンクL.O.22:30)
定休日/月曜・火曜
席数/43
https://www.instagram.com/tikappa_dou/
