トランプ大統領が紙ストロー廃止へ。日本のスターバックスなど国内外食大手の取り組みは?
アメリカのドナルド・トランプ大統領は2月10日、プラスチックストローを制限する方針を覆す大統領令に署名した。今後は、プラスチックストローの代替として使われていた紙ストローを、連邦政府機関内では使用しないことになる。今回は、トランプ大統領の大統領令署名と、日本の外食大手での紙ストローに対する取り組みについて紹介する。
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アメリカ連邦政府内では紙ストロー廃止に
トランプ大統領は、アメリカ連邦政府機関内で紙ストローを使わないようにする大統領令に署名し、45日以内に紙ストローを廃止する国家戦略を策定するよう、大統領補佐官に指示した。トランプ大統領は以前から紙ストローに反対しており、バイデン前政権による使い捨てプラスチックを2035年までに連邦政府で使用停止する方針を覆したといえる。
大統領令署名の際にトランプ大統領は、「プラスチックストローを使用しても問題ないと思う」「サメが海を泳ぎながら食べているときにプラスチックが影響を与えているとは思わない」とも話しており、このような発言がSNSなどでも話題となっている。
スターバックスやマクドナルド、ケンタッキーは新素材を導入
SNSではトランプ大統領の意見への共感が多く、実際にアメリカでも同様の反応が見られる。その一方で、アメリカのメディアでは食品包装会社のCEOが、「消費者に対して、紙ストローかプラスチックストローの選択肢しかないと思わせてしまうことは残念。業界はすでにそれよりも先の取り組みをしている」と話しているように、飲食業界では環境負荷を低減できる新素材での取り組みが進んでいるのが現状だ。
日本では、2018年から紙製ストローを導入していたスターバックス コーヒー ジャパンが、2025年1月23日から沖縄県内の『スターバックス コーヒー』全32店舗において、飲み心地の良さと環境負荷低減を両立できる「カネカ生分解性バイオポリマー Green Planet(R)(グリーンプラネット)」製のストローを導入した。3月以降に全国の店舗でも導入する予定となっている。Green Planet(R)製ストローはバイオマス度99%で、微生物によってCO2と水に生分解されるため、環境負荷を低減できるという。また、日本マクドナルドや日本ケンタッキー・フライド・チキンでもストローなしでドリンクが飲める「ストローレスリッド」を導入しており、紙ストローを廃止する動きが見られる。
一方で、バイオマス素材など飲み心地と環境負荷低減を両立できる素材の普及には、コスト面などの課題がある。しかし、使用する企業が多くなれば徐々にコストも下がり、紙ストローやプラスチックストローから置き換わるようになるだろう。
