2025年春闘、ゼンショー、すかいらーく、王将、松屋など外食大手10%超の賃上げも
2025年の春闘は3月12日に集中回答日を迎え、物価高騰や人手不足を背景に、大手企業では満額回答を含む賃上げの回答が見られた。今回は、外食業界大手各社の春闘の結果について紹介する。
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外食大手の2025年春闘、過去最高の賃上げ続々
3月12日に集中回答日を迎えた2025年の春闘は、大手企業で高水準の賃上げの回答が目立つ。連合が公表した3月3日時点の賃上げ要求率も、平均6.09%と昨年同時期の5.85%を上回っており(昨年の結果を伝えた記事はこちら)、最終的な妥結金額も昨年を上回ることが予想される。外食大手各社でも物価高騰や人手不足を背景に、賃上げ回答が多く見られた。以下に2025年春闘での外食大手各社の動きをピックアップする。
■すかいらーくホールディングス
『ガスト』『バーミヤン』などを展開するすかいらーくホールディングスは、ベースアップと定期昇給を合わせて平均約6.5%(23,375円)の賃上げで妥結した。昨年の6.22%を上回る賃上げで、3年連続の満額回答となる。すかいらーくホールディングス、すかいらーくレストランツの正社員約4,340名が対象となり、4月1日から実施される。
■松屋フーズホールディングス
『松屋』を展開する松屋フーズホールディングスは4月1日から、約2,000人の正社員を対象にベースアップを実施すると発表した。人材に投資して成長を目指すために、ベースアップと定期昇給に加え新卒初任給の引き上げを行い、7.41%の賃上げとなる。さらに、その他賃金改定などを含めると最大10.12%となり、昨年の10.9%に続き2年連続で10%台の賃上げとなった。
■ゼンショーホールディングス
『すき家』『なか卯』などを展開するゼンショーホールディングスは、正社員1,339名を対象に平均11.2%の給与引き上げを行うことで妥結した。4月1日からの給与改定で、新卒初任給(312,000円へのアップ)とともに引き上げを行う。給与引き上げ額は過去最高となり、ベースアップは13年連続となる。
■王将フードサービス
『餃子の王将』の運営会社である王将フードサービスは、組合要求22,000円に対し、ベースアップと定期昇給を含めて平均30,139円の賃上げをすると回答した。賃上げ率は8.2%となり、直近3年間の賃上げ率は約29%となる。大卒の新卒初任給も21,500円の引き上げで、300,000円に突入した。
■モスフードサービス
『モスバーガー』を展開するモスフードサービスは、2025年4月1日時点で在籍する全社員約650名に対し、4月分給与から賃上げを行う。全社員平均3%のベースアップと定期昇給2%と合わせて、合計約5%の賃上げとなる。ベースアップは昨年に続いて2年連続。
■ワタミ
『和民』などを展開するワタミは昨年11月の決算発表で、2025年度はベースアップや定期昇給分などをあわせた5%の賃上げ目標を明らかにしている。約1,200名の社員が対象となり、昨年の平均3.7%を上回る水準の賃上げとなりそうだ。
過去最高賃上げも、値上げも続く
2025年の春闘も、昨年に引き続き物価高騰や人手不足の影響もあり、外食大手各社では賃上げ回答が多く見られた。集中回答日に値上げを発表した日本マクドナルドホールディングスも昨年は平均4%の賃上げを実施しており、今年の対応が注目される。
