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「立ち飲み×空中階」で驚異の坪月商100万円超。渋谷『型破離』の常識破りな経営論

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株式会社シゲキがほしい代表の正木勇貴氏。1992年に高知県で割烹店を営む両親の元に生まれた。

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坪月商140万円の学芸大学『立呑み 鉄砲玉』や、坪月商150万円の自由が丘『立呑み中華 起率礼(きりつれい)』など、驚異的な数値を叩き出している株式会社シゲキがほしい。同社が2025年4月8日(火)、渋谷区道玄坂に新店舗『立食 型破離(かたやぶり)』をオープンさせた。立ち飲みでありながら空中階、看板なし、異端とも言える戦略の全貌を代表の正木勇貴氏に聞いた。

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店内はL字カウンター席でスタンディングのみ。5.5坪で最大25名ほどが入る『型破離』(画像提供:株式会社シゲキがほしい)

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立ち飲みながら、空中階で看板なし。「教えたいけど教えたくない店」目指す

『型破離』という店名は、芸事の世界で用いられる「守破離」の精神に由来する。1店舗目の『立呑み 鉄砲玉』で王道の立ち飲み、2店舗目『立呑み中華 起率礼』で本格中華を展開した経験を踏まえ、3店舗目では「自分たちにしかない、オリジナルの立ち飲みを創造することを目指した」と正木氏は話す。

お店があるのは「渋谷マークシティ」のほど近くだが、JRや銀座線、副都心線の渋谷駅からは徒歩10分ほどかかる。しかも、路地裏の雑居ビルの2階、マンションの一室のようなわずか5.5坪のスペースで、あえて看板を出していない。

「空中階で看板なし」という立ち飲み業態として異例の試みは「このスタイルが成功すれば、今後の物件選びの幅が格段に広がる」と正木氏が考えたからだ。「路面店にこだわらずとも、魅力的なコンテンツがあれば集客できることを証明したい」というチャレンジングな姿勢も窺える。

集客は、初速を求めるのではなく、口コミによるジワジワとした広がりを重視しているという。「渋谷にこんなところがあるんだ」「人に教えたいけど、教えたくない」と感じさせるような、濃いファン層の形成を目指す。スタイリッシュでクールな内装も、隠れ家感を演出し、お客の発見する喜びを刺激する。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。