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国分寺『食堂 猿乃拳』3年で月商1,000万円達成。接客スキルの追及が売上向上に奏功

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店の奥にはファミリー層が使いやすい畳のお座敷席を用意している

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新人教育を徹底しサービスレベルを向上

ユニークでクオリティの高いメニューのほかに、栗原氏が同店の武器として挙げるのが高い接客スキルだ。

現在、同店では平日のアルバイトが3~4人、週末は5~6人がホールスタッフとして働く。ホールスタッフはお客と触れ合う機会が最も多いため、「大学生のアルバイトの子にかなり注力している自負があります」と栗原氏。3年がかりで綿密な新人教育マニュアルを作り上げ、挨拶やファーストドリンクの提供速度、禁止用語などを記した“十か条”の浸透を徹底している。

新人研修は、入店2日目までは座学で、3日目にオーダーテイクの仕方を含めたテストを実施。さらには全スタッフが日報で課題を書くことができるアプリを導入し、本人へのフィードバックを徹底することで接客スキルの向上を図っている。

「“酒場”と“居酒屋”の違いは何かと言うと、酒場は接客サービスを求められていない空間で、居酒屋はサービスを求められていると思うんです。あの人がいるから行こうとか、ここに来たら元気になれたとか、そういう声がもらえるのが居酒屋。Romanグループが大事にしているのは酒場じゃなくて居酒屋を作ることなので、僕が考える居酒屋で必要なのは“人”なんです」

そのようにして高められた接客スキルは、前述したオーダーテイクでの名物メニューの注文率の高さなどにも見て取れる。また、接客では、お客がどこから来たのかを聞く「フローム」という独自のコミュニケーション方法も徹底。よりお客のニーズに合ったメニュー構成にアプローチするためであり、「接客レベルの向上」にも寄与しているという。

「たとえばアルバイトのAさんがお客様にフロームを聞いて、Instagramを見て来てくれたという情報を社員に伝えるとします。でも、一口にインスタといっても、元々『猿乃拳』をフォローしていたのか、『国分寺×居酒屋』で検索したのか……と色々あるから、社員は『次はそこまで聞いてきて』とAさんに言う。そうすると、Aさんは次にお客様に『インスタ見ました』と言われたら、そこまで聞けるようになるし、僕らもそのフロームの内容に合った提案がお客様にできるようになる。サービスレベルが上がるわけです」

今後は「23区での3店舗の出店」を視野に

8月には、近隣に蕎麦をテーマにした深夜業態の4店舗目をオープン予定という栗原氏。さらに、今後は35歳になる5年後までに23区で3店舗の出店を目指しているほか、ゆくゆくは雇用と企業価値を高めるために、居酒屋とは異なる業態の専門店の出店も視野に入れる。これまでに培ったキャリアと知見を武器に、「35歳以降は国分寺、23区、専門店の3軸で走っていける体制を作りたいですね」とさらなるチャレンジを見据えている。

『食堂 猿乃拳』
住所/東京都国分寺市本町4-1-10 シティハイツB1
電話番号/050-5385-3997
営業時間/平日17:30〜23:00、土日祝13:00〜23:00
定休日/不定休
席数/テーブル34席、カウンター22席
https://www.instagram.com/kbj.punch/

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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