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中目黒『食卓あおもん』22歳の女性店長が大活躍。大胆な「若手起用」の“狙い”とは?

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写真左から、「本日の漬け込み酢サワー」の「桃とローズマリー」(638円)、「赤ジソ」(638円)

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女性スタッフが作業しやすい厨房設計

一方、ハード面においても様々な点で「塩田氏仕様」になっている。

例えば、厨房設計。「既存のキッチンは男性スタッフのパワープレイを前提にした設計でした。わかりやすくいえば、調理経験が豊富なスタッフがひとりでぶん回していけるように調理器具などを配置していましたが、それだと女性スタッフにとっては使いにくく、作業負担も大きいわけです」と渡辺氏は説明する。

店舗規模は14.5坪・32席。カウンター席以外にテーブル席、ボックス席、ベランダのテラス席など様々なタイプの客席で構成される(画像提供:青者)

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そこで、『食卓あおもん』ではフロアの中央部分にカウンター越しの刺し場スペースを設け、その裏にストーブとフライヤーを設置しているが、刺し場の調理台は高さをやや低めに設計している。

男性スタッフ用に設計されている厨房を女性スタッフ仕様に設計し直した

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また、『酒肴あおもん』と『肴場あおもん』の厨房には吊るし棚を設け、そこに調理機器や食器類を収納しているが、『食卓あおもん』では塩田氏が器具をピックアップする際に手を伸ばさずに済むように膝元に収納スペースを集約している。

さらにストーブとフライヤーの手前部分に作業台を設け、そこで盛り付け作業などができるように工夫。刺し場の脇にもやや広めの作業スペースを設置しており、ピークタイムに注文が立て込んだら2人がかりで調理できるようにしている。

内装のデザインコンセプトは「カルチャーの香りがするお店」。塩田氏の趣味を念頭に置いて渡辺氏がインテリアをチョイスした

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この店を任せられるスタッフを育ててほしい

オープンから4か月が経過。「当初は3か月で店を引き継ぐつもりでしたが、既存2店でスタッフが離脱するトラブルが発生。塩田に『酒肴あおもん』のフォローを頼まざるを得なかったため、店長補助の勤務に専念させられない期間ができてしまった」と渡辺氏は説明する。

ただ、店長業務に専念できない中でも、「この数か月の経験はこれまでの飲食店での勤務経験にも勝る濃密な時間になりました」と塩田氏は振り返る。

「お客さまが押しかけてくる『酒肴あおもん』に勤務していた頃は、接客が“こなす”ことに偏りがちでしたが、新店の店長がすべきなのはお店のファンを作ること。そうした気付きがあるか、ないかでお客さまとの会話内容が変わってくることも学びました」

ようやく7月に適正な人員配置が完了。「これまでに仕込みの調理技術を一通り身に付けてきましたから、次のステップは営業中の調理場をさばけるようになること。2~3か月中に塩田がそれをマスターしたら現場を離れるつもりです」と渡辺氏は言い、こう締めくくる。

「スタッフを育てることが店長の一番の役割だと捉えています。塩田も今は自分が成長することに全力を尽くしてくれていますが、彼女には『この店を任せられるスタッフを育てられるリーダー』を目指してもらいたい。そこまでできるようになれば、塩田は店をスタッフに任せ、スタッフが新たな店長を育てるという好循環を作り出して店舗数を増やしていくことが理想ですね」

『食卓あおもん』
住所/東京都目黒区東山1-4-13 ASA東山ビル2階
電話番号/03-6412-8292
営業時間/17:30~23:30(フードL.O.22:30、ドリンクL.O.23:00)
定休日/不定休
坪・席数/14.5坪・32席
https://www.instagram.com/shokutaku_aomon

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栗田利之

ライター: 栗田利之

フリーランスの記者として、15年以上にわたって外食経営誌の記事を執筆。大手、中堅の外食企業や話題の繁盛店などを取材してきた。埼玉県下を中心に店舗網を拡げている「ぎょうざの満洲」が贔屓の外食チェーン。