月商600万円を売る居酒屋『刻刻刻刻座』の“映え”戦略。センベロ街・赤羽で新たな魅力創出!
赤羽を拠点に居酒屋7軒を運営する合同会社GoZ(ゴーズ)。2018年の創立以来、「10店舗展開」を目標に掲げ、着実に成長を続けてきた。今年に入ってからも勢いは止まらず、2月10日に『ヤミイチ 高円寺』、4月1日に『刻刻刻刻座(しこくざ)』、7月7日に『裏裏飯屋(うらうらめしや)』(共に赤羽)と立て続けに3店舗をオープンさせている。
同社が赤羽で営む5店舗の中で売上トップを走るのが、月商1,000万円・坪月商90万(11坪)を誇る『居酒屋燃えた うらめし屋 赤羽』である。2023年末の火災からわずか半年後で復活を遂げた話題性もさることながら、大衆酒場の街・赤羽では珍しい客単価4,000円台の「今風なおしゃれ居酒屋」として人気を集め、連日大盛況だという。今回取り上げる新店『刻刻刻刻座』は、その成功体験を受け継ぐ酒場。『うらめし屋』のノウハウをどのように落とし込んだのか、店舗責任者で統括マネージャーの濱田裕志氏に話を聞いた。
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工事費は抑えて箱をそのまま生かす業態づくり
『刻刻刻刻座』の店舗は赤羽駅から徒歩5分、繁華街・一番街の裏路地にある赤羽中央街商店街に位置する。飲食店がまばらな少し寂しげな通りに面するが、同社は勝算ありと見て空き物件の契約を決めたという。無論、『うらめし屋』での実績が自信となっているわけだが、2号店的な位置づけにはしなかった。
「確かに『うらめし屋』の影響力があれば、もっとスムーズに売上を立てられるとは思います。ですが、それは安易なブランドの安売りになってしまう。会社としてそれは違うだろうと。また、『うらめし屋』の離れとして『裏裏飯屋』の開業も控えていたため、あえて『うらめし屋』の名前は出さずに出店しました」
入居したのは元鉄板焼き店の居抜き物件だ。「内装工事はほぼ行っていません。厨房の鉄板をそのまま生かして何ができるかと考えたときに、僕は四国(高知県)出身なので、串に刺さずに鉄板で焼く愛媛県の郷土料理、今治焼き鳥が思い浮かびました。さらに高知名物のカツオの藁(わら)焼きも取り入れ、『四国料理×鉄板焼き』というコンセプトが決まったんです」と、濱田氏は業態開発の経緯を教えてくれた。
メニューにも四国のエッセンスを散りばめる。愛媛・松山のお茶菓子「坊ちゃん団子」をモチーフとした「坊ちゃん団子つくね」や、濱田氏が幼い頃から愛飲していた地元メーカーの乳酸菌飲料「リープル」を使った「リープルサワー」(616円)など、ユニークな創作料理で店の個性を際立たせている。
また、藁焼きも同店の売れ筋だ。『うらめし屋』で好評だった、国産和牛の上質な部位だけを使用した厚切り牛タンを「極み牛タンの藁焼き」(1,848円)として提供。ほかにも、徳島の地鶏「阿波尾鶏の藁たたき」(968円)など、オリジナルの“たたきメニュー”を考案した。
