新卒月給35万円を実現する『マグロスタンダード』。紹介&カンテラ採用で優秀な人材を先取り
飲食店の平均利益率が10%と言われる中、25%という高い水準を維持する企業がある。それが坪月商65万円超の『マグロと炉端 成る』や『マグロスタンダード』など、錦糸町や門前仲町を中心に直営6店舗を展開する株式会社Pay it Forwardだ。その利益を従業員に還元し、新卒1年目でも月給35万円、年間休日138日という好待遇を実現している。
しかし、同社を率いる宮﨑元成氏が目指すのは、単なる「働きやすい会社」ではない。2023年末、約半数のスタッフが退社し、組織は大きな変革を迫られるも、その後過去最高額を売り上げるという快挙を成し遂げた。
働きやすさを魅力に人を集めるステージから、理念への共感と成長意欲を重視する「マインド採用」へと大きく舵を切ったのだ。今回は宮﨑氏に、高利益率を生み出す仕組みから、組織変革の裏側、そして同社が目指す「飲食のニュースタンダード」について詳しく聞いた。
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仕入れの工夫、採用コスト削減などで利益率25%を実現
同社の高利益率を支える秘訣の一つが、廃棄されていたマグロの内臓部分を仲買から安く仕入れていることにある。上ミノやレバー、脳天など、マグロの内臓部分を丁寧に処理し、「マグロ焼肉」という新たな看板商品を生み出した。この看板商品の原価率の低さが、利益率の高さにも結び付いている。
もう一つの秘訣が、採用コストの削減だ。「魅力的な人材は、知人からの紹介で転職していくことが多いため、リファラル採用に力を入れている」と宮﨑氏は話す。同社は直近2年で、アルバイトと社員を合わせて、約50名のリファラル採用(紹介採用)に成功している。しかも、インセンティブの支給は行っていないというのだ。
これについて「年間1,000万円の採用費を求人媒体に払うくらいなら、その分を社員に還元し、彼らが一緒に働きたい仲間を連れてきてくれる方が、よほど良いチームが作れる。この考え方にスタッフも賛同してくれているので、リファラル採用に際してインセンティブ制度は設けていません」と宮﨑氏は打ち明ける。
実際、在籍する社員15人のうち10人はリファラル採用だ。
