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吉祥寺『爛漫東京』地域リスペクトで月商700万円! 愛される店づくりの全貌【連載:居酒屋の輪】

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「サワラとカンパチのカマ焼き」(935円)。捌きたてのため海の香りがただよう

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コロナ禍でも前進! 地域との繋がりを深めた店先BBQ

2022年春のコロナ禍での開業、給付金に頼らず営業を続けたのも『爛漫東京』が地域に根付くきっかけとなった。

「昼12時から店前でBBQをやって、新鮮な魚や肉を地域の人に振る舞いました」と小宮さん。煙もくもくの良い香りで注目を集めつつ、道行く住人の心を掴み、信頼を積み上げた。「困ったときに助けてくれる人が自然と現れるようになりました。引き寄せの法則みたいですね。人とのつながりが自然と広がっていきました」と笑うそのポジティブさこそが、店の原動力なのだ。

北海道産「白バイ貝」(2個715円)。適度に熱した昆布と鰹の出汁で繊細に火を入れる

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偶然の縁も財産だ。常連客がフランスの試飲会で秋田銘酒「美酒爛漫」の蔵元とたまたま出会い、そこからコラボレーションにつながったという。

「常連さんが『いつも行く店が同じ爛漫って名前なんです』って話したら、わざわざ蔵元さんが秋田から来てくれたんですよ!」と小宮さん。

秋田「オリジナル爛漫」(一合1,100円)。酒蔵が自ら育てた米で醸す特別な一杯だ

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地域No.1を目指す! 『爛漫東京』の未来像

小宮さんは門前仲町の『富岡一丁目の夕陽』や『宿酒 きんきん』、『大衆酒場 坂本商店』、中目黒の『居酒屋FUNFAN』など、複数店舗のプロデュースも手掛けてきた。内装、メニュー開発、空間音楽の提供までトータルで関わり、売上を倍以上に引き上げた実績も持つ。

「3Dシミュレーションで内装デザインの提案からしています。アーティストを紹介してウォールアートを施したり、ユニフォームも地元の後輩がやってる『Slow Flow』というブランドで作ったり、関わる仲間みんなが満たされる仕組みです」という、コミュニティを巻き込んだカルチャー色の強い施策が成功の秘訣だ。

「やりたいことが多すぎて、生き急いでいます(笑)。思い立ったら吉日で形にしたいんですよ。今日どう生きるか、もうそれだけです。強いて目指していることは、もし吉祥寺で居酒屋総選挙があったら『爛漫東京』が一番になることです」

目標は、売上や規模ではなく地域での存在感。飲食店を通じてカルチャーとカルチャー、人と人を繋ぎ、それぞれの未来を豊かにする場所を目指す。

多忙な日々でも「毎日出勤してスタッフを育てること。それが一番」と現場主義を貫く

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『爛漫東京』
住所/東京都武蔵野市吉祥寺本町1-30-16 加藤ビル1F
電話番号/0422-27-1127
営業時間/17:00~翌1:00
定休日/無休
坪数・席数/約12坪・23席
https://www.instagram.com/ranman_tokyo/

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佐藤 潮.

ライター: 佐藤 潮.

ミシュラン三つ星店から河原で捕まえた虫の素揚げまで、15年以上いろいろなグルメ記事を制作。酒場系の本を手掛けることも多く、頑固一徹の大将に怒られた経験も豊富だ。現在、Webのディレクターや広告写真の撮影など仕事の幅が広がっているが、やはりグルメ取材が一番楽しいと感じている。