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薪料理『091”』が渋谷で月商800万円の大ヒット! “学生お断り”戦略が社会人に刺さるワケ

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写真左から、株式会社Uliveto東京エリアマネージャー・小林卓磨氏、『091”』 店長・呉 忠翰氏

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繁盛店が続々と誕生している渋谷・道玄坂エリア。2024年10月にオープンした『091”(マキビ)』もその一つ。若者が多い渋谷において、あえて「学生お断り」を打ち出すなど、尖った施策を打ち出す理由とは? 月商800万円を売り上げる人気の理由や成功の要因について、運営する株式会社Ulivetoの広報・武藤快太氏、同店の店長・呉 忠翰氏に話を聞いた。

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渋谷なのに“学生お断り”! ミドル世代に響く大人の隠れ家戦略

“100年に一度の大規模再開発”に伴い、新規出店が相次ぎ、客層も多様化している渋谷。なかでも道玄坂は、大人世代がくつろいで過ごせる店が増え、街の印象にも変化が見られる。

『091”』の客層は近隣で働くビジネスパーソンをはじめ30代以上がメインで、客単価は6,000〜7,000円。女性グループやデートの需要も高く、連日予約で埋まるほどの人気ぶりだ。

「近隣にライブハウスやホテルがあることから、ライブ帰りや海外からのお客さまも一定数いらっしゃいます。道玄坂という立地ならではの特徴といえるでしょう」と呉氏。

店があるのは渋谷駅から徒歩5分の場所(写真提供:株式会社Uliveto)

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運営元の株式会社Ulivetoは、名古屋を拠点とする成長企業。同時期に恵比寿でオープンした『284(ニハチヨン)』も客単価7,000〜8,000円、月商800〜900万円を売り上げる繁盛店だ。

両店に共通するのは、イタリアンと和を融合させた料理と薪焼きスタイルだが、立地特性に応じて戦略を変えているのが特徴だ。

たとえば『284』では、3,278円で20種類以上のナチュラルワインが時間無制限で飲み放題で楽しめるプランを導入。食やワインに敏感なエリア特性を踏まえた施策で、20坪・49席と卓数も多いこともあり、6名以上で訪れるグループ客も少なくない。

一方、渋谷では3,000円ですべてのドリンクが90分飲み放題になるプランを設定。ワイン以外にも、幅広い種類の酒類を楽しみたいという需要を見据えたものだ。

渋谷は恵比寿よりもこぢんまりとしていて、隠れ家の様相。奥には個室も完備されている(写真提供:株式会社Uliveto)

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「恵比寿はワインを目的に来店される方が多いのに対し、渋谷では食事を中心にお酒を楽しむ方が多い印象です」と武藤氏。実際、「ワインを飲みたい日は『284』、しっかり食事を楽しみたい日は『091”』」とシーンに合わせて使い分けるお客もいるようだ。

もう一つ、『091”』の大きな特徴が“学生お断り”を掲げている点だ。近年、特に若い世代のSNSをきっかけに拡散し、集客に成功する飲食店が多い中で、あえて若者の街・渋谷で真逆の施策を打ち出した。

その狙いについて武藤氏は「名古屋で展開している店舗もメインターゲットは社会人で、エリア特性に合わせてビジネスマンやデート向けなど細かく設定しています。『091”』はオープン当初から客単価6,000〜7,000円を想定していて、一般的にこの金額を学生が支払うのは難しいだろうと判断しました」と語る。

賛否はあるものの、この“学生お断り”のルールによって、むしろ社会人やミドル層からは『落ち着いて食事ができそう』という印象を持たれやすくなり、結果的に安心して入りやすい雰囲気につながっているようだ。

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河西みのり

ライター: 河西みのり

フリーランスで活動するライター&インタビュアー。現在はソーシャルメディアや業界紙など多岐に渡り執筆。飲食店取材からレシピ本の編集、お取り寄せカタログのコピーまで“食”にまつわる分野を得意とする。