神泉の本格イサーン料理店『タイ東北モーラム酒店』。“容赦なく無慈悲な”本場の旨辛でヒット
地域に根差し、愛される店であり続けたい
シェフをはじめ、外国人スタッフを雇用する上で大切にしている点を尋ねると、丸山氏はこう語った。
「日本で働いてもらう以上、日本式のやり方に慣れてもらう必要があります。その一方で、出身国の文化やタブー、プライドに関することも考慮して接するようにしています。さらに個性もありますから、そこは日本人でも外国人でも同じ。お互いの信頼関係を築き上げていくことが大切だと思います」
一方で、メニュー開発では苦労もあった。レシピは食材も調味料もグラム単位で作り、それに合わせて仕入れるつもりだったが、シェフに分量を出してほしいと伝えても、目分量でしか作れず、正確な数字は出てこなかった。その点については「すっかり諦めた」と丸山氏。
「極端な話、10店舗、20店舗と展開しているようなチェーン店だったら味に差が大きく出てしまうかもしれません。でも、この規模だったらそこまで差は出ないかな、と。細かいことを突っ込んで仕事のモチベーションを下げてしまうよりも、気持ちよく働いてもらった方がいいと思っているんです」
このおおらかな姿勢とスタッフへの信頼が働きやすさにつながり、店全体の明るく居心地のよい雰囲気を生み出しているのだろう。こうしたスタイルが多くのファンを惹きつけ、客単価およそ3,500円、平均月商350万円という安定した経営にもつながっている。
店舗展開は意識しておらず、将来的には“地域に溶け込んでいる老舗の町中華”のような存在になれたらと丸山氏は話す。
「また何か面白いことを見つけたら、新しい店をやることもあるかもしれません。そのときはさらにローカルな料理を追求してみたいですね」
『タイ東北モーラム酒店』
住所/東京都渋谷区円山町16-8 粕谷ビル1F
電話番号/03-6712-7747
営業時間/月~金11:30~14:00/17:30~23:00、土17:30~23:00
店休日/日曜
坪・席数/12坪・20 席
https://www.instagram.com/molamsaketen
