食料廃棄を減らすために飲食店ができるコト。最新サービスの紹介から有名店の取り組みまで
さて、ここまでは食品ロス削減を意識した飲食店向けのサービスをご紹介してきた。続いては、こうしたサービスを利用せずに、独自のアイデアで食品ロス対策に取り組む飲食店をご紹介したい。

『table ogino』で販売されているシャルキュトリー。Photo by Yuki Watanabe
廃棄食材も考え方ひとつで素晴らしい一皿に生まれ変わる
■廃棄される肉の部位を仕入れ、シャルキュトリーの素材にする『OGINO』
以前、『Foodist』でご紹介した『OGINO』。このレストランでは、基準体重を超過した豚の肉を積極的に仕入れ、シャルキュトリーの素材として利用することで、食品ロス削減に貢献している。基準体重を超過した豚は売りに出せないため殺処分される。また殺処分にも費用が掛かるため、畜産農家にとっては痛い出費となる。この問題を『OGINO』が得意とするシャルキュトリーで解決しているのだ。
■譲り受けた廃棄食材を料理に使用する『Bristol Skipchen』
スーパーなどで廃棄される食材を仕入れ、料理に使用する飲食店が世界のあらゆるところで誕生している。たとえば、英国のレストラン『Bristol Skipchen』がそうだ。毎日、スーパーや飲食店から廃棄される食材を仕入れ、エビのサラダやロブスターといったメニューを提供。材料費が掛からないため料金は設定しておらず、ゲストが好きな料金を払うシステムだという。衛生面・安全面には細心の注意を払っているというが、日本ではなかなか真似のできないシステムと言えるだろう。ちなみにこの店の目的は“食材を無駄にしないでほしい”というメッセージを多くの人に届けること。儲けることはあまり考えていないようだ。
飲食店で食材廃棄が生まれてしまうのは、致し方ない部分もある。しかし、「しょうがない」と諦めてしまう前に、今一度、何か出来ることはないかと思いを巡らせることこそが、食品ロス削減の第一歩に繋がる。ひいては適切な仕入れにも繋がるはずなので、飲食店を運営される方はぜひ一度考えてみてほしい。
