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合コン客はBGM大きめで! 客の心をつかむイケてる気配りとは?

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六本木の人気イタリアンでは、合コン客が入るとBGMのボリュームを上げるのだとか

桜の開花も発表され、いよいよ春本番を迎えようとしている。飲食業界にとっては、多くの店舗が繁忙期に突入する時期といえるのではないだろうか。

忙しい時期を乗りこえるために大切になってくるのが、スタッフ間のチームワークやコミュニケーション。特に春はスタッフの入れ替わりがある季節。そのため、これまでにも増してしっかりとしたコミュニケーションが必要となる。もし仮に、チームワークに不安を抱えているのなら、今一度ハウスルールの見直しやスタッフ間のミーティングを強化するといいだろう。

春は新規客がたくさん訪れる

さて、春は新生活シーズンとあって、飲食店にも新しい客が訪れる。こうした新規客をぜひともリピーターにしていきたいところだが、それには「味」で努力するのはもちろんのこと、ホスピタリティあふれる「サービス」でゲストの心を掴んでいかなければならない。そこでここでは、ホスピタリティあふれるサービスを提供するにはどうすればいいか、いくつかの事例に触れながら紹介していく。

細かな気配りで客のストレスを軽くする

人気店はしばしば行列ができるが、店にとってはありがたくても、客にとってはストレスになることが多い。新規客に「この店は美味しいけど、並ぶからイヤだ」と思われてしまってはもったいない。行列に対する対応策はしっかりと練っておく必要がありそうだ。

天王洲アイル『T.Y.HARBOR BREWERY』は、混雑が予想される土・日・祝日の昼間、隣接のリバーラウンジを開放することで待ち時間のストレス軽減を図っている。ラウンジでもドリンクの注文が可能なので、客は水音をBGMにゆっくりとビールを飲みながら待つことができるというわけだ。このように食事を楽しみに来た人たちが長い待ち時間の間に疲れてしまったり、テンションが下がってしまわないように努めるのもホスピタリティのひとつといえるだろう。『T.Y.HARBOR BREWERY』ほどの大胆な工夫ができない場合は、「Airウェイト」や「EPARKファスパ」のような待ち時間解消サービスもあるので検討してみるといいだろう。

BGMを上手に利用し、店内の雰囲気にメリハリをつくる

和食店や居酒屋でジャズを耳にする機会が多くなったり、カフェで流れるスムースなイージーリスニングがカフェミュージックとして定着したりと、店の雰囲気づくりには欠かせない要素となったBGM。

ハイセンスなセレクトで音楽好きの間でひそかに話題の『ドトールコーヒー』では、ソフトロックやジャズ、ボサノヴァ、ソウルなどさまざまなジャンルの曲がかかっている。ランダムなセレクションに聞こえるのだが、じつは時間帯によって変化する客層に合わせ、細かくジャンルを変えているのだそう。

たとえば7時から11時のモーニングの時間帯はさわやかなポップス、11時から14時の時間帯はソフトロックやボサノヴァなど、シニア世代には懐かしく感じ、若い世代には新鮮に感じる曲をセレクト。14時から17時のカフェタイムには比較的ジャンルレスなセレクトながら、前後の時間帯を意識してブラジリアンやジャジーな曲を選ぶなど、変化をつけることで飽きのこない雰囲気を作り出している。

一方で、「BGMの音量」が店の演出になる場合もある。六本木『ノック クッチーナ・ボナ・イタリアーナ』は合コンのグループが入った場合、BGMのボリュームを大きめにして少し騒がしい雰囲気を作る。そうすることで男女の会話の距離がぐっと縮まり、コミュニケーションを後押しできるのだそう。BGMを上手に使って、店の雰囲気にメリハリをつけている好例だ。

このように、日ごと、時間ごとに訪れる客は変わるし、店に求められることも違ってくる。些細な変化を捉えながら最善を尽くすのが、ホスピタリティあるサービスには必要といえる。

アニバーサリーサービスを工夫する

今や定番となったアニバーサリーサービス。現在は当事者が楽しむだけでなく、その出来事がFacebookなどのSNSで広くシェアされる時代になった。店の宣伝にもなるので、他店とはひと味ちがうサービスで個性をアピールしたいところだ。

たとえば『神楽坂ワイン食堂 entraide』のバースデープレートは、食材を駆使して描きこまれたイラストが、ハイクオリティーで満足度が高いと話題だ。またラテアートが芸術的と人気の吉祥寺『CAFE ZENON』には記念日用のラテアートがあり、注文時にリクエストすれば好きなメッセージを入れてくれるサービスも。

ほかにも、事前に写真を渡せばプレートに似顔絵を描いてくれる店や、イベント感満載のホールケーキを用意してくれる店もある。また、サプライズ演出の相談にのってくれる店もあり、ケーキが出てくるタイミングで照明を暗くしたり、BGMを流したり、スタッフがバースデーソングを歌ってくれたりと、アニバーサリーの当事者だけでなく店全体が盛り上がる仕掛けを施す店舗も多いようだ。

こうしたサービスは手間は掛かるものの、客に店の記憶をしっかりと残すことができる。集客としてはもちろん、リピーターづくりにも効果を発揮してくれるだろう。

ホスピタリティあふれるサービスの例をいくつか挙げたが、共通しているのは客の細かなニーズにしっかりと応えているところ。“こういうサービスがあったら喜んでくれるはず”という客目線を常に持ち続け、本当に必要とされるサービスを提供していきたい。

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イシイミヤ

ライター: イシイミヤ

フリーライター。ファッション誌やカルチャー系のウェブサイトでライフスタイルに関わる記事を執筆。現在はフードカルチャーに焦点を絞り、その最旬事情から老舗の妙味まで多岐にわたり執筆中。週3でアンテナショップに通い、全国の郷土菓子と未知の食材の収集を日課にしている。ビールとコーヒーのトレンドに詳しい。