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はんつ遠藤さんが2018年の「トレンドメニュー」を予想。注目は「ネオスタンダード食材」

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Photo by iStock.com/fotokris

「ネオスタンダード食材」を使った注目メニュー、残り2つは?

■炭酸割り
アルコールのトレンドといえばワイン、クラフトビール、日本酒などが挙げられるが、最近、特に注目されているのがハイボールやレモンサワーなどの炭酸系アルコールドリンクだ。2018年は、そのハイボール市場がさらに活況を呈するといわれている。

「ウィスキー業界もソーダ割りに適した商品を投入してきたり、最近では焼酎ハイボールも話題。さらに日本酒を炭酸で割ったりも。カチ割りワインの浸透もあって、ワインに氷を入れて飲むことに抵抗がなくなったのもあり、炭酸を加えたワインの炭酸割りも増えつつあります」

■麻婆麺
広島式担担麺の東京進出や、担々麺専門店の増加など、担々麺はブームを通り越して、定着化した昨今。2018年もその傾向は継承されつつ、さらにその先を行く、麻婆麺の専門店が続々とオープンするとはんつさんは予想する。

「もはや担々麺の専門店をオープンしても注目度が薄いため、同じ刺激的な味わいの中国料理の延長線上で、麻婆豆腐がクローズアップされつつあるというわけです。実際に世田谷区に麻婆麺専門店が開店したりと、動きがみられますし、ラーメン店のネクストブランドで麻婆麺を狙っているという店主の話もチラホラ。慣れ親しんだ麻婆豆腐をスープ麺にかければメニュー化できるので、今まで少なかったのが不思議なくらいです」

Photo by iStock.com/LFO62

はんつさん注目メニューは「焼き鳥」

上で挙げたような「ネオスタンダード食材」のほかに、2018年にはんつさんが注目しているのが「焼き鳥」だ。

「通常、焼き鳥というと串に鶏肉が刺さったものを想像しがちですが、じつは全国には『ご当地焼き鳥』が約30種類あります、豚なのに焼き鳥と言っていたり、一本の串に多彩な部位が刺さっていたり。なかには揚げているのに焼き鳥と名前がついている地域まで。また鶏自体も地鶏、銘柄鶏が注目されて、比内地鶏などの有名地鶏はもちろん、鹿児島県種子島のインギー地鶏など、珍しい種類にも多くのや焼き鳥店が興味を示すようになってきました。さらに醤油味、塩味のみならず、ハニーマスタード味など、いろいろな味わいの串が登場中。目が離せません」

鶏肉は牛肉や豚肉と違って原価が安定している上、出荷も早いのが飲食店にとっては嬉しいところ。読んでいただいて分かる通り、はんつ遠藤さんの予測する2018年のトレンドに上がったメニュー・食材は、目新しさはありながらも、どの業態の飲食店でも取り入れやすいものばかり。来年のメニューとして検討してみてはいかがだろうか。

はんつ遠藤
フードジャーナリスト。1966年生まれ、東京在住。早稲田大学教育学部卒業。海外旅行雑誌のライターを経て、テレビや雑誌、書籍などでの飲食店紹介や、飲食店プロデュースなどを行うフードジャーナリストに。ライターとして執筆、カメラマンとして撮影の両方をひとりでこなし、取材軒数は9000軒を超える。全国のご当地グルメの知識と経験を活かし、ナムコのフードテーマパーク事業にも協力し、現在、東京・大手町のご当地焼き鳥テイスティングパーク『全や連総本店 東京』名誉館長、上海『拉麺競技館(ラーメンアリーナ)』名誉館長も務める。「日経トレンディ」にてトレンドリーダーにも選出。現在「週刊大衆」、「JAL」、「東洋経済オンライン」などで連載中。また近年は料理研究家としてTV、ラジオ、雑誌などで創作レシピを紹介している。著書は「はんつ遠藤のうどんマップ東京・神奈川・埼玉・千葉」「おうちラーメンかんたんレシピ30」「おうち丼ぶりかんたんレシピ30」「東京やきとり革命!」など27冊。

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逆井マリ

ライター: 逆井マリ

フリーライター。音楽、アニメ、ゲーム、グルメ、カルチャー媒体などに取材記事を執筆。現在の仕事に就く前に、創作居酒屋、イタリアン料理店での業務経験あり。写真は大好きなアイスランドで撮影したもの。