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飲食店に「嫌われる客」の特徴とその対処法。水だけ頼む客、長居する客、持ち込みをする客 etc...

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Photo by iStock.com/JackF

飲食店の現場で働いていると、様々な客と出会う。多くのことが学べて人生経験も豊富になる。時には忘れられないような感動的な体験をすることもある。それが飲食店で働く醍醐味だ。

しかし、なかには店にとって本当に迷惑な客、想定外の行動をする客がいるのも事実である。筆者は、飲食業歴15年、カフェ経営6年の経験があるが、これまで驚くような客をたくさん見てきた。嘘の予約を入れる客、トイレットペーパーを盗む客、テーブルに灰皿を接着剤でくっつける客など、対処のしようがない客もたくさんいた。

こうした困った客に対しても飲食店はしっかりと対応をしていく必要がある。そこで今回は、現場の接客担当者としての視点から、近年増えつつある「嫌われる客」の特徴とその対処法についてまとめてみた。

態度がよくない客

態度がよくない客は非常に多い。「いらっしゃいませ」との呼びかけに目も合わせてくれない。「何名様ですか?」と問いかけても指で数を示すだけ。注文を聞いても「コレ」としか言わない。

“それのどこが悪いの?”と思う人もいるだろう。しかし、接客スタッフからすると結構ダメージは大きい。私も正直、イラっとして顔に出てしまったことがある。接客に対して反応が無いというのは非常に辛いものなのだ。もちろん、お客様には悪気がないことがほとんどだ。

対処法としては、接客の工夫が考えられるが、これもまた難しい。今まで以上に元気な声で接客する、お客様に積極的に話しかけるといった案も悪くはないが、接客側のモチベーションが下がると効果が出なくなることがほとんどである。

可能であれば、接客ではなくハード面での工夫をしておきたい。例えば、体をかがめなくては入れないほど小さな入り口の店、呼び鈴を押さないと店員が扉を開けてくれない店などが実在するが、これらは客を店に注目させ、店員と客の距離を縮めるための素晴らしい工夫と言えるだろう。

仮にそこまでできないにしても、ちょっと変わったメニューブックを用意したり、カップやグラスが選べたり……といったようなことでも接客はしやすくなるはずだ。つまり、「よりよい接客」を目指すよりも、お客様の「心が動く仕掛け」を作っておくことが大事なのである。

Photo by iStock.com/AH86

水ばかり飲む客、ドリンクオーダーしない客

筆者は父が喫茶店を経営していたこともあり、子供の頃から様々な飲食店に関わる常識を教えてもらったものだ。その中のひとつに「飲食店の水は飲むな」というものがあった。当時は「飲食店の水は美味しくない」と言われていたこともあったかもしれないが、「水ばかり飲むのは店に対して失礼だからドリンクはオーダーすべき」というのが一番の理由だ。ちなみに、筆者は今でも飲食店でほとんど水を飲まない。

しかし、この「常識」は、現在はほとんど通用しなくなってしまった。ラーメン店などでは飲み物は注文しなくてもよいだろうが、ケーキ専門店でケーキだけを食べている若い女性を見かけることもある。店にとっては客単価が下がるのであまり有難くない客だ。きっと節約のためにそうしているのだろうが、ケーキと水では美味しさも楽しさも半減する。私がご馳走するから、ぜひ紅茶とのマリアージュを楽しんで欲しいと思ってしまうくらいだ。現実的には難しいかもしれないが、ケーキの単品販売をやめてドリンクセットのみにするのもひとつの手だろう。「こういう食べ方がオススメですよ」というものを店側が示す必要がある。

多くの飲食店は「贅沢をする場所」というよりも、できるだけ安く「日常使いができる場所」になりつつある。どんな飲食店も、お客様に新しい価値を提供し、それに対して喜んでお金を払ってもらわなくてはならない。単なる「場所の提供」ではなく、「飲食店は食文化をつくっている」という高い意識を持つことが重要なのだ。

長居する客

カフェが台頭してきた頃から、長居する客が急激に増えたように思う。私の経験で言うと、「食事客」は意外と長居しない。だいたい1時間かそれ以下だ。むしろ、単価の低い「お茶客」の方が滞在時間が長くなる傾向にあり、2~3時間は当たり前という感覚である。数字面だけで見ると、回転率が良く単価も高い食事客はとても有難く、お茶客は残念ながらそうではない。

ドリンク1杯で6〜8時間くらい滞在していた客もいたが、よほどの混雑でない限り、退店をお願いするのは難しい。営業時間内であれば、「お客は好きなだけ店に居られる」というのも、もはや飲食店の常識となってしまった。実際、かなりの混雑時に退店をお願いしたこともあるが、けっこう辛いものである。できることなら何も言いたくないというのが接客する側の本音だろう。

では、長居する客が目立つチェーン系コーヒーショップでは、どのような工夫をしているだろうか。電源や無料Wi-Fiなどの設備を整えている反面、席数を増やしたり、長時間滞在しにくい「座面が硬い椅子」を使用していることが多い。近年は特に、テーブルは小さめで低く、勉強や打ち合わせ、パソコン作業がしにくい仕様になっている。

それでも長居客を減らすことは難しく、最近は単価を上げる戦略をとる店が増えているようだ。追加ドリンクを100〜200円程度で提供するサービスもそのひとつ。これは「コーヒー1杯で粘る客」を減らすことにもなり、店と客の関係をよくする良案と言えるだろう。

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大槻洋次郎

About 大槻洋次郎

父親が喫茶店を営む家庭に生まれ、31才の時にカフェで独立開業。個人経営のこだわりカフェの先駆者的存在となった。現在は大手カフェスクールや展示会での講師活動、飲食店の開業支援などを行なっている。現場目線の初心者でもわかりやすいノウハウに定評がある。メディア出演も多数。得意料理はパスタ。