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リピート率90%を誇る渋谷『カクニマル』。悪立地も「ここでやる覚悟」で繁盛店に

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『カクニマル』のスタッフの面々。雰囲気の良さが伝わってくる。左が店主の黒川圭太氏

人通りが少ない路地、外から見えるのは店名が大きく書かれた障子張りの扉ひとつ。条件が悪いと思われる物件で『□二〇』(カクニマル)が繁盛店への道を歩んでいる。

豚の角煮を看板メニューに、2018年1月30日にオープン。メニューは毎日手書き、お客さんとのコミュニケーションを大切にしながら居心地のいい空間を提供する。居酒屋の原点ともいえる手法を武器に躍進し、現在は客が途切れない人気店へと成長した。店舗のコンセプトを「アナログでいこうかな」と言う楽コーポレーション出身の店主・黒川圭太氏(33)に、ここまでの道のりを聞いた。

メニューは毎日、店主が手書きのアナログ感

渋谷の道玄坂を登りきったところにある路地に面したビルの中、店名が大書された扉が、『カクニマル』が外界に見せる唯一の姿である。路面に看板もなく、飛び込み客はほとんど期待できない。扉を開けると33席の比較的広めのスペースが広がり、店内の方が開放感を感じられる。大げさな表現をすれば「どこでもドア」で新しい場所に飛び込んだような感覚。

取材に訪れた時、黒川氏がカウンターに腰掛けて手書きのメニューを作成中だった。道玄坂にある看板も出ていない店内で、その日のメニューを筆ペンで書き入れる店主。隠れ家的なムードがぷんぷんと漂う。

店主自ら、手書きでメニューを作る

開店からおよそ8か月、ここまでの状況を聞くと「順調です。半年を過ぎたあたりから、うまくいくようになりました。先月(9月)、今月(10月)と忙しい日が続いています。開店して最初の1年は赤字、それこそ血ヘドを吐くぐらいの状態を覚悟していましたから」と黒川氏。

渋谷駅からは距離があり(井の頭線神泉駅からは約200m)、路地に面して間口も広くないという客観的には繁盛店になりにくい条件ながら、黒川氏は「直感的にいいと思って」決断した。

「確かにいい物件とは思いませんでした。ですから、ここまで歩いて来てもらうためにはどうすればいいかと考えました。それは楽コーポレーションにいた時に勉強していることです。そもそもいい物件なんて、一生出てこないと思っています。出てきた物件で勝負するだけです」

物件を決めた後、楽コーポレーションの宇野隆史社長に見てもらったところ、「いいなあ。いいぞ、ここ」と言われたという。

店は渋谷にあるとはいえ、駅から遠く視認性も悪い

戦略は単純明快「美味しくて楽しければ、また来てくれる」

立地条件の悪さをどう克服するか。黒川氏の戦略は単純明快だった。来店してもらったお客さんにリピートしてもらい、その知人を巻き込んでその輪を広げていく。一度来たら徹底的に楽しんでもらう。美味しくて楽しければ、また来てくれる。

「置いても人が通らないから意味がない」と路上に看板も置かず、広告も出さない。広告代をかけるより、その分をお客さんに還元しようという考えから、開店時はいくらをたっぷり乗せた「いくらご飯」を安価で提供するなどサービス向上に予算を回した。

看板メニューは店名の由来ともなった角煮。「僕が好きな角煮を作りました。トロトロの柔らかい角煮です。中華鍋で油をひかずに焼くと豚の脂分がかなり抜けます。その後、煮込む時にも抜けるので、提供する段階でほぼ脂がない状態になります。そうすると脂身の部分の食感がトロトロして、非常においしくなります」。その結果、多くの女性客が「めちゃくちゃ美味しい!」と絶賛する味わいとなった。

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松田 隆

About 松田 隆

青山学院大学大学院法務研究科卒業。スポーツ新聞社に29年余在籍後にフリーランスに。「GPS捜査に関する最高裁大法廷判決の影響」、「台東区のハラール認証取得支援と政教分離問題」等(弁護士ドットコム)のほか、月刊『Voice』(PHP研究所)など雑誌媒体でも執筆。ジャーナリスト松田隆 公式サイト:http://t-matsuda14.com/