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「世界のベストレストラン50」約2年ぶりの開催。日本は『傳』など3店がランクイン

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画像素材:PIXTA

10月5日、2021年版「世界のベストレストラン50」がベルギー・アントワープで発表された。昨年はコロナの影響で中止を余儀なくされたため、開催は約2年ぶりだ。投票が行われたのはコロナ禍前の2019年冬だったが、2020年の冬に投票内容を変更してもよいという規定のもとで再投票を実施。この1年余りの状況を反映したランキングになった。トップに選ばれたのは、前回2位だったデンマークの『ノーマ』。日本勢では、日本料理『傳』が11位と健闘した。ランキングを詳しくご紹介していく。

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1位は5度目の首位となったデンマーク『ノーマ』

1位にランクインしたデンマーク・コペンハーゲンの『ノーマ』は、2010年、2011年、2012年、2014年と世界最高のレストランに選ばれており、今回、5回目の首位に輝いた。この受賞により「The Best Restaurant in Europe 2021」との2冠を達成した。

『ノーマ』のクリエイティブチームを率いるのは、同店に9年勤める日本人の高橋惇一氏。授賞式では「ノーマが初めて受賞したときには、テレビの前で見ていた。いま、舞台に自分が立っているのが信じられない」と喜びを語った。

2位は同じくデンマークの『ジェラニウム』。前回の5位から躍進した。3位はスペインの『アサドール・エチェバリ』。『エチェバリ』のシェフ、ヴィクトール氏は、料理界に多大な影響を与えたシェフを称える「シェフズチョイス賞」も受賞した。そして、4位はアワード常連のペルー『セントラル』。5位は前回9位のスペイン『ディスフルタール』だった。

ベスト5のうち4つを北欧とスペイン勢が受賞しており、地域のレベルの高さを証明する結果となった。また、9位までを見ると南米のレストランが3店ランクイン。その影響力の広がりと勢いがうかがえる。

画像素材:PIXTA

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日本からは『傳』、『NARISAWA』など3店がランクイン

日本の最高位は、東京・神宮前の日本料理店『傳(デン)』の11位。前回の順位をキープし、トップ10に迫る。長谷川在佑シェフは、「今回はランキングの発表だけでなく、アワードを開催出来たこと自体にとても意味があると思う。人と人の繋がりを今まで以上に大切にして、皆でより良いレストランのあり方を考えていくことが今後必要だろう」と話した。

そして、前回22位の『NARISAWA』が19位に。川手寛康氏が率いる『フロリレージュ』が39位となり、新たにベスト50入りを果たした。ベスト50にランクインしたレストランは以下の通り。
※2019年版からルールが変更され、1位を獲得したレストランは殿堂入りし、ランキングの対象外となる

<1〜10位>
1.『Noma』(コペンハーゲン デンマーク)
2.『Geranium』(コペンハーゲン デンマーク)
3.『Asador Etxebarri』(アトクソンド スペイン)
4.『Central』(リマ ペルー)
5.『Disfrutar』(バルセロナ スペイン)
6.『Frantzén』(ストックホルム スウェーデン)
7.『Maido』(リマ ペルー)
8.『Odette』(シンガポール シンガポール)
9.『Pujol』(メキシコシティ メキシコ)
10.『The Chairman』(香港 中国)

<11〜20位>
11.『Den』(東京 日本)
12.『Steirereck』(ウィーン オーストリア)
13.『Don Julio』(ブエノスアイレス アルゼンチン)
14.『Mugaritz』(サン・セバスチャン スペイン)
15.『Lido 84』(ガルドーネ・リヴィエラ イタリア)
16.『Elkano』(ゲタリア スペイン)
17.『A Casa do Porco』(サンパウロ ブラジル)
18.『Piazza Duomo』(アルバ イタリア)
19.『Narisawa』(東京 日本)
20.『Diverxo』(マドリード スペイン)

<21〜30位>
21.『Hiša Franko』(コバリド スロベニア)
22.『Cosme』(ニューヨーク 米国)
23.『Arpège』(パリ フランス)
24.『Septime』(パリ フランス)
25.『White Rabbit』(モスクワ ロシア)
26.『Le Calandre』(ルバーノ イタリア)
27.『Quintonil』(メキシコシティ メキシコ)
28.『Benu』(サンフランシスコ 米国)
29.『Reale』(カステル・ディ・サングロ イタリア)
30.『Twins Garden』(モスクワ ロシア)

<31〜40位>
31.『Restaurant Tim Raue』(ベルリン ドイツ)
32.『The Clove Club』(ロンドン 英国)
33.『Lyle’s』(ロンドン 英国)
34.『Burnt Ends』(シンガポール シンガポール)
35.『Ultraviolet by Paul Pairet』(上海 中国)
36.『Hof Van Cleve』(クライスハウテム ベルギー)
37.『SingleThread』(ヒールズバーグ 米国)
38.『Boragó』(サンティアゴ チリ)
39.『Florilège』(東京 日本)
40.『Sühring』(バンコク タイ)

<41〜50位>
41. 『Alléno Paris au Pavillon Ledoyen』(パリ フランス)
42.『Belcanto』(リスボン ポルトガル)
43.『Atomix』(ニューヨーク 米国)
44.『Le Bernardin』(ニューヨーク 米国)
45.『Nobelhart & Schmutzig』(ベルリン ドイツ)
46.『Leo』(ボゴタ コロンビア)
47.『Maaemo』(オスロ ノルウェー)
48.『Atelier Crenn』(サンフランシスコ 米国)
49.『Azurmendi』(ララベツ スペイン)
50.『Wolfgat』(パターノスター 南アフリカ)

なお、50位から100位に入賞した日本のレストランは、以下の計5店。

51.『日本料理龍吟』(東京)
73.『イル リストランテ ルカ・ファンティン』(東京)
75.『茶禅華』(東京)
76.『ラシーム』(大阪)
99.『レフェルヴェソンス』(東京)

コロナ禍で世界のレストラン業界が冬の時代に直面した。しかしながらリストには5大陸世界26カ国のレストランが名を連ねており、再興の兆しを感じさせる祭典となった。

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岩﨑美帆

ライター: 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」